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2005.04.28

■集中センター機能(続)

■集中センター機能のつづき

 バンキングシステムの後方支援の機能を取り上げてきましたが、
 今回は、コンピュータの運用管理部門を中心とした話をしたいと
 思います。

■コンピュータ運用部門

 バンキングシステムを支えるコンピュータシステムは、365日・
 24時間フル稼動です。
 このコンピュータをトラブルなく稼動させるための組織がコンピュータ
 運用部門です。
 コンピュータをトラブルなく、常に安定したコンピュータバンキング
 サービスを提供することは重要な使命です。
 バンキングシステムには、コンピュータ企画部門とコンピュータ運用部門が
 連携してシステムの安定稼動のための各種の仕組みを組み込んでいます。

 この運用部門の一部の要員は3シフト制の勤務形態となっています。
 銀行の中では、特殊勤務の部門であり、シフトのための人員を確保して
 おく必要があります。
 また、日中静かな睡眠を確保できるような特殊な厚生設備条件等も
 準備されています。
 不規則勤務であり、なかなか大変なセクションということができます。

■コンピュータ運用部門の主な機能を列挙してみます。
 (すべてを運用部門が担当している訳ではありませんが、
 システム開発部門や企画部門と連携する機能も含まれます。)

 コンピュータ利用のスケジュール管理
 コンピュータの稼動状況分析
 コンピュータシステムのメンテナンス管理

 コンピュータのシステムライフの推定
 ピーク日、ピーク時間帯の処理能力の把握
 システムネックの把握とネック解消対策

 コンピュータへの各種データの入出力
 オンラインシステムの開局、閉局処理
 運用上の各種トラブルへの対応
 各種データの蓄積と保存
 コンピュータセンター自身の災害時のデータバックアップ対策

 プログラムのライブラリイー管理
 通信ネットワーク管理
 各種サブシステムへのオンライン接続や切り離しオペレーション

 各種の障害の把握と復旧処理
 オンラインプログラムの異常処理の把握と復旧処理
 オンライン通信回線のトラブルの把握と復旧処理
 ディスク等のIO装置の障害の把握と復旧処理
 
 地震等の大規模災害への対応

 等々と思いつくままに列挙しても各種の多くの機能があります。

■各種の障害対策

 コンピュータを安定稼動させるためには各種の障害対策への配慮が
 必要です。

 原則的にはありとあらゆるトラブルの発生の可能性をリストアップし
 このための対策を講じることが重要です。
 勿論、経済性の考慮も必要ですので、どのレベルで妥協するかは、
 各企業のポリシィーに依存する問題ですが、基本的には、
 二重化によるバックアップ対策をきめ細かく設計することです。

 障害対策に関して、どんなことを配慮しているのか、簡単に説明
 したいと思います。

■コンピュータセンターの設置場所とセンター設備

 まず、コンピュータを設置するためのコンピュータセンターにも
 各種の障害対策の配慮が必要となります。

 コンピュータの設置場所の選定も重要な課題です。
 地震等の災害に強い地盤の土地を選ぶことや水害等の天災等の被害の
 危険性のない場所等の選定基準があります。

 また、建物は耐震性に優れた建造物が必要であり、火災発生時でも
 スプリンクラー等ではなく特殊の気体を使った消火設備の準備も
 必要となります。

 コンピュータルームは耐震の床構造の設備が必要です。
 また、空調・電源・通信回線のバックアップ構成が必要です。

 電源関しては、変電所事故や工事事故による電源ケーブルの切断も
 想定して、電力会社から2ルートで電源を引き込むこと、
 また、電源と同様の理由で、通信回線も2重ルートで引き込むこと等
 も重要な配慮項目です。

 また、自家発電装置も準備する必要があります。
 地下には、大量の蓄電器と火力発電装置も準備する必要があります。
 そして、火力発電のための大量の重油タンクの設備をつくり、
 必要な時間だけ自家発電を継続できるだけの重油を蓄えておく必要が
 あります。

 バンキングシステムの障害対策はコンピューターセンターの選定が
 重要ということをご理解いただけたかと思います。
 
■コンピュータシステムの障害対策

 次は、コンピュータシステム自体に関しての障害対策です。

 コンピュータシステムは機械である以上各種のトラブルの発生が
 予想されます。各種の障害を回避するための仕組みに関して簡単に
 触れてみたいと思います。

 銀行によりどこまで完璧な障害対策を準備するかは経済性との関係もあり
 すべてのバンキングシステムに同様の対応がなされているわけでは
 ありません。

 いくつかの代替方式が採用されていますが、バンキングシステムは
 基本的には完全二重化が原則です。

 メインコンピュータ自身は二重化、三重化のシステムになっています。
 この二重化の方式にもロードシェア方式や単純待機系システム等の
 方式があります。

 この中で、典型的な3系統のロードシェアシステムのパターンを事例
 として紹介します。
 この方式は、3セットのコンピュータを準備します。
 例えば、A,B,Cの3セットのシステムとします。
 これらの3セットのコンピュータはお互いに接続されIO装置も
 3システムから共通にアクセスできるシステムとなっています。

 そして、通常はA,Bの2セットのコンピュータがシステムの負荷を
 分散して稼動する仕組みになっています。
 この2セットのシステムには、二重化された通信回線、二重化された
 ディスク装置等が接続されています。
 A,B,Cの各々のコンピュータは、相互に他のコンピュータの稼動
 状況を監視しています。
 
 このようなシステム稼働中にA系のシステムに障害が発生した場合には、
 BとC系のコンピュータがA系のシステムの異常を検出します。

 考えられる異常の原因を把握し、A系のシステムの復旧に時間がかかる
 と判断した場合には待機系のC系システムがA系の代替システムとして
 瞬時に稼動する仕組みとなっています。
 この場合、ケースによって、コンピュータが自動的に切り替わる場合と、
 運用オペレーターの判断を要求する場合があります。
 これらへの冷静な判断がオペレーターには要求されます。

 コンピュータの障害対策に関しては、いろんな対応策が組み込まれています。
 これらの諸施策の積み重ねで、バンキングオンラインは安定的な稼動を
 確保することができるのです。

■今回はここまでにしておきます。

 いかに十分な配慮を行っても、大規模な地震等により、地域全体が災害を
 受ける可能性があります。
 これに関しては、遠隔地に、別のコンピュータセンターを準備して
 対応しています。

 次回は、大規模災害に対しての災害・障害対策に関しての対応に関して
 説明したいと思います。

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