■銀行の物流システムについて
■銀行の物流システム
バンキングシステムは、オンラインの情報処理だけで完結するわけ
ではありません。オンラインの陰で大量の物流システムが存在します。
そのひとつが「現金輸送システム」であり、もうひとつが
「メールシステム」です。
今回は、「現金の輸送システム」に関して書いてみたいと思います。
銀行は日銀に当座預金を開設しており、ここから現金を引き出し、
営業店に現金を供給します。
このときに新しい紙幣と新しい硬貨も日銀から供給されます。
また、営業店から集まってきた余剰の現金は日銀の当座預金に
入金します。
これにより、現金の市場流通システムの一部が成り立っているのです。
銀行の営業店に不足する現金を供給し、営業店の余剰現金を回収する
システムが「現金輸送システム」です。
この現金輸送システムのことを銀行では「回金システム」とも呼んで
います。従って、ここでは現金輸送のことを「回金」と略称します。
■「回金システム」の役割
「回金システム」は、営業店の現金在庫の調整の役割を果たします。
金種別の現金必要量を営業店に供給し、営業店の余剰の現金を
回収します。これにより、営業店は、現金の適正在庫を保つことが
できるのです。
また、この回金システムの役割のもうひとつは、新しい紙幣や
新しい硬貨を供給し、古い貨幣や硬貨を回収する役割があります。
汚れたり、破損して流通に適さない紙幣や硬貨を回収し、
日銀に還元します。
日銀は、これらを最終的には消却処分することになります。
即ち、銀行の営業店は、流通通貨の新陳代謝の機能を果たしているのです。
ところで、銀行の首都圏や大都市圏の営業店には、基本的には午前と午後の
一日に2回、現金輸送車が巡回してくることになっています。
午前の便で現金を供給して、午後の便で現金を回収するというのが
原則です。
勿論、店の規模や店舗の地域の配置により、現実には、この原則は
いくつかのバリエーションに分かれますが。
次回説明予定の「メールシステム」との混載便とする場合もあります。
各地に分散している銀行の店舗を無駄なく時間制限の中で、巡回する
ということは、簡単なことではありません。
これらは、プロの搬送業者が銀行ニーズに合わせて組み上げている
巡回配送システムです。
OR分野での「銀行の回金システムの巡回配送システムの最適化問題」
というテーマの手法がベテランにより創り上げられているのです。
■現金の適正在庫管理は重要課題です。
銀行の営業店にお客様により持ち込まれる現金とお客様が引き出される
現金の量は、季節や月末月初等の日別変動があります。
また、一日のうちでも時間帯別の変動があります。
例えば、当然のことながら給料日には現金が多く引き出されます。
現金の入金、出金の量の変動にはいくつかのパターンが存在します。
現金の需要と供給のバランスを考慮しながら営業店は現金在庫を
適正に保つ必要があります。
営業店に無駄な現金を持つということは、営業店の収益上マイナスに
なる仕組みになっています。
従って営業店では手持ち現金を少なくしたいのです。
しかし、手持ち現金が少ないと、お客様への支払い現金が不足して
迷惑をかけてしまいます。
従って、常連のお客様には、大量の現金の引き出しに関しては事前に
予約をお願いしているのです。突然の大量の現金の引き出しには対応
できないということがあるからです。
また逆に、大量の現金入金に関しても大量の現金在庫を抱え込むこと
になりますので事前に連絡をお願いするということになります。
ここでも、OR分野の「適正在庫問題」が存在するという事になります。
■現金の輸送には、危険が伴います。
現金輸送車が強盗に襲われるという事件が時々発生しています。
従って、現金の輸送に関してはいろいろな危険回避の仕組みが
組み込まれています。
詳細に関して解説することはできませんが、銀行の場合は、
専門の警備会社や専門の運送会社に輸送を委託しています。
即ち、プロ集団にアウトソーシングしています。
従って、プロ仕様の警備体制の中で現金は安全に輸送されているのです。
これ以外にも、銀行は現金をお客様に直接届けたり、お客様から現金を
集金するサービスも行っています。
例えば、大手のスーパーとの取引では、おつり用の小銭を大量に両替して
回金します。そして、紙幣を集金し預金口座に入金します。
また、競馬場や競輪場には大量の現金が集まります。
この現金も集金して預金口座に入金します。
年末年始には、神社やお寺には大量のお賽銭が集まります。
これらを集金することも昔は若手銀行員の仕事でした。
これらの大口先に関しては、最近では、専門の集金代行子会社に有料で
アウトソーシングしているというのが実態ですが・・・。
このように、銀行は、日銀と営業店、営業店とお客様との間で大量の
現金をやり取りしており、このための「現金搬送システム」が存在して
いることがご理解いただけたと思います。
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