■振込システムに関して
■振込システムに関して
何回かに分けて、預金口座から料金等を引落すシステムについて
書いてきました。預金口座からの出金システムです。
今回は逆のケースとして、預金口座で資金を受取るシステムについて
説明します。預金口座への入金システムです。
振込システムの身近な事例としては、給料の受け取りがあります。
給料日に自分の預金口座に給料が振込まれ、ATMで引き出すというのが
一般的になっています。
これが、給与振込システムです。
これ以外にも、配当金振込システム、年金振込システム、
そしていろいろな資金振込に対応できる総合振込システムと呼ばれている
各種の資金振込システムがあります。
上記のように、預金口座で資金を受け取ることができる事例は、
給与や賞与の他に、配当金の受け取り、年金の受け取り、その他の
各種の資金の受け取りがあります。
銀行側では、支払い機関との間にこれらのシステムのための契約を結んで
各種の振込システムに対応し、正確な運用管理を行っています。
一見簡単で単純なシステムのようですが、各々の振込には約束事があり、
正常処理の場合でもいくつかのルールに従う必要があり、結構複雑な
システムなのです。
システムのトラブルやピーク日に振込が遅れた場合にはお客様からの
クレームは勿論のこと支払い側と受け取り側の協約違反ということに
つながります。
また、銀行としても振込資金の手当ての管理についてのリスク管理を
行う必要があります。
■資金振込の標準的なパターン
1)銀行と支払い機関側の契約を締結します。
この契約の中身としては、データの受け渡し方法、振り込み指定日、
振込資金決済の方法、イレギュラーデータが発生した場合の対処方法
等です。
受渡データの種類は、磁気テープ、フロッピー、FAX、紙ベースの
振込用紙、通信回線によるデータ受取、通信回線を通じてPCからの
データ受取等と各種の媒体があります。
2)振込データの受取と振込のための資金を確保します。
この資金確保は一般的にはデータと同時受取が原則ですが、
相手企業によってはこのタイミングが同時ではありません。
振込データは事前に受取、振込み資金は相手企業の信用度合いにより
異なります。
3)振込データの中には、自行振込分と他行振込分が含まれています。
他行振込分に関しては、振込データを振分して全銀為替システムに
データを引き渡す必要があります。
4)振込指定日に受取人の預金口座に振込入金の処理を行います。
5)何らかの理由で正常に振込処理ができないという異常が発生した
場合には、例外処理の対応の必要があります。
■システムリスクに関して
単純に支払い機関から振込データを受け取り、指定された日に指定された
預金口座に、指定された金額を振込処理するというと単純処理のように
思われます。
銀行にとっては何のシステムリスクもないように思われます。
しかし、実際にはいくつかのシステムリスクを含んだシステムなのです。
この振込システムのいくつかについてシステムリスクの概要について
説明します。
■給与や賞与の振込のシステムリスク
給与や賞与を銀行口座に受け取るためには、労働協約により従業員と
雇用者との契約が必要です。従って、振込指定日が遅延した場合には
支払い企業側の労働協約違反になってしまいます。
従って銀行としては、給与振込指定日に確実に預金口座に振込み入金を
完了する必要があります。
この給与振込システムも決して単純ではありません。
給与振込を行う企業もいろいろであり、すべてが従業員の給与資金の
手当てが潤沢である企業ばかりではありません。
銀行としては、給与振込データと給与振込資金の資金手当ての確認を
行ってから従業員口座へ振込を実施する必要があります。
給料支払日までに資金手当ての目途が立たない企業もありうるのです。
従って、企業の信用リスク度合いにより資金確保の方法が異なります。
優良企業の場合には当座預金から支払い資金を引落せばすむのですが、
信用不安先に関しては事前の資金確保の確認が必要になります。
給与振込当日ぎりぎりになって資金が確保できないというケースも
あり得ます。
この場合には振込データを保留しておき、振込処理を中止する必要が
あります。
大量の給与振込データの中から、これらの振込データのキャンセル処理
を必要とするのです。
このためのシステムの構築は時間的な制約のもと、大量なデータを取扱う
システムですので、簡単ではありません。
■配当金の支払いのシステムリスク
配当金の支払いに関してもシステムリスクがあります。
配当金の支払いには、株主総会の承認決議が必要となります。
この株主総会の決裁が得られた段階で振込処理が開始されます。
総会で配当金支払いに関しての決議が否定された場合には配当金は
支払うことができません。
配当金の支払いデータは事前に受取っており、データのリリースの
時限管理が必要となります。
■それ以外にも、国民年金、県民税、市民税、国庫金の振込等に関して
の事務処理があります。
これらのシステムに関しては、適正に事務が取り扱われているかどうか
の当局の検査があります。
当局の検査基準は取扱い当局独自の事務取り扱い基準があり
この基準にも対応できる適正な事務処理方法を確立しておく
必要があります。
■まとめ
各種の資金を銀行の預金口座で安全確実に受取るためには、銀行側の
システムに例外に対応するため各種の機能を組み込む必要があるという
ことをご理解いただけたでしょうか。
バンキングシステムはオンラインシステムだけでなく後方でオンライン
システムをバックアップする各種のシステムに支えられているということ
の一部をご理解していただけたと思います。
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