■ICカードの応用分野(続)
前回に引き続きICカードに関してのトピックスをご説明したいと思います。
■応用分野について
ICカードの応用分野に関して順次説明していきます。
定期券入れや財布の中にカードが何枚もあり不便であるからICカード
一枚に統合したほうがよいとの意見があります。
しかし、紛失したときのリスクやカード利用時の勘違いやミス等を考えると
お客様のニーズに応じて適時組み合わせていくのがベターのようです。
応用分野に関しては、個別分野ごとに説明していきますが、
実際には、いくつかの機能が複合化されて利用されていくことになります。
■クレジットカード、キャッシュカードへの応用
ICカードの特徴としてセキュリティーが高いということが優れて
いるということが強調されます。
ICチップの中には、マイクロコンピュータが組み込まれており、
このコンピュータでセキュリティー論理を組み込むことができるからです。
このセキュリティ性を活かした応用分野は、クレジットカードや
キャッシュカードなどの金融系のカードです。
ICカード化された金融系のカードは、ほぼ完全に偽造や不正利用の
リスクを回避することが可能になります。
ほぼ完全というのは、セキュリティーには絶対ということは
ありえないからです。
必ず、技術の進歩、時代の推移によりセキュリティー対策は破られて
いくという運命にあるからです。
しかしながら、現状よりは格段のセキュリティー機能の向上が期待されます。
また、ICカードには記録を保存しておくメモリーエリアがあるため、この
部分を利用して、金融系システムにおける与信管理を行うことができます。
与信管理というのは、クレジットカードやデビットカードで利用可能な
限度額を管理する機能です。
この機能を利用すればショッピング等の取引が発生した場合の承認事務を
迅速かつ効率的に処理することが可能となります。
クレジットカード業界では、2003年~2005年を目処にすべてのカードを
ICカードに切り替える計画になっています。
カードの有効期限に達したものから順次切り替わっていくことになります。
クレジットカードの不正利用による損失は、相当の金額であり、
IC化により、この損失が大幅縮小されることが期待されています。
一方、銀行のキャッシュカードもIC化の方向に進んでいます。
銀行は、実用化に早くから取組んでいたのですが、全面的な実用化には
到りませんでしたが、今後は順次切り替えていく計画になっています。
実用化が遅れている理由は、キャッシュカードには、有効期限という概念
がなく、発行枚数も国民一人当たり2-3枚以上も発行されています。
また、すでに預金口座残高ゼロの口座も多く、切り替えコスト負担が大きく
一挙に切り替えることに躊躇するコスト負担の問題があるからです。
時間の差こそあれ、各行のポリシーに従い順次切り替え移行が
行われることになります。
■電子マネーへの適応
電子マネーとは、お金の情報を書き込んだICカードを使い、キャッシュレスで
ショッピングを可能とする仕組みです。
現金を使わないので安全なうえ、レジでの小銭のやり取りも簡素化されます。
電子マネーに関しても何種類かの方式が開発されています。
このなかでも注目されるのがプリペイド方式の電子マネー「Edy」です。
基本的には、ソニーのフェリカという非接触タイプのカード仕様を
利用しており、JR東日本で利用されているSUICAと同一の仕様です。
Edyは、コンビニエンスストアでの利用やインターネット上の
サイバーモールでも利用可能です。
企業や学校内でのキャッシュレスシステムとして、社員証に「Edy」の機能を
搭載する事例も増えてきています。
全日空のマイレッジポイントをEdyに変換して電子マネーとして利用することも
可能となっています。
今後も、順次、提携先が増加し利用範囲が拡大していくものと思われます。
■JRの定期券や乗車券等への適応
交通機関分野ではICカードの非接触インターフェース機能が活かされ、
JR東日本の「Suica」をはじめとして、カードを読み取り機にかざすだけで
改札口を通れるシステムが実用化されています。
この非接触型のICカードに切り替えることになった理由は、
薄型のプラスチックカードでは、高速でカードを搬送しなければならないために
読み取り装置のベルトの磨耗とメカ部分の故障メンテナンスコストが大きな問題
となってきたからです。
非接触型のICカードの場合は、このメカ部分が省略できるために、
メンテナンスコストの節約につながるからです。
鉄道の改札口での利用の場合には、改札口の混雑を避けるための処理スピードが
必要となります。
この高速処理を可能とするためにタッチアンドゴーという方式で、高速処理機能
可能なソニー仕様の非接触型のICカードが採用されています。
このJR方式は、相互乗り入れ可能なように、私鉄の改札方式にも採用されて
いくことになると同時に、順次、地下鉄、バス等にも採用されること
になっていくものと思われます。
■高速道路等の有料道路の料金徴収システムへの適応
高速道路で採用されている、ETC(料金自動収受システム)は、車載機に
ICカードを挿入するだけで、料金所通過の際、ノンストップで自動的に
有料料金の支払いが行われるシステムが採用されています。
ETCの場合には、読み取り装置との距離が離れているために、
特別なICカード装置(車載装置)に接触型のICカードを挿入して
無線電波でデータ交換する形態となっています。
この方式は、駐車料金の支払い等、車を中心としたシステムへの応用が
展開されるいくものと思われます。
その他の応用分野については次回につづきます。
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