■銀行のキャッシュカードと通帳について
■今回は、ATMを利用するのに必要な銀行発行のキャッシュカードに関して
のトピックスと通帳に関してのトピックスをとりあげたいと思います。
■◇磁気カードの全銀仕様に関して
昭和40年代の後半にかけてCD設置施策を急速に展開し、
個人顧客の囲い込み戦略を積極的に開始したのが当時の三菱銀行でした。
この動きを察知した他の都銀は、三菱銀行の独走阻止の意味もあり、
将来のATM提携を予測して、キャッシュカードの仕様の統一化を
大義名分として全銀レベルでの仕様統一の談合提案を行いました。
結果的には、標準化の基盤ができてよかったということにはなります。
各行がバラバラの仕様でキャッシュカードを発行していたのでは、
現在のようなATMの相互利用は不可能だったからです。
全銀仕様の決定で、三菱銀行の単独戦略に対してブレーキがかかりました。
CD機の改造やキャッシュカードの再発行で、三菱銀行は相当の代償を
支払うことになってしまったのです。
この時代に現在の日本独自の全銀統一のキャッシュカードの基本仕様
が決定されました。
一部の仕様の改定はありましたが現在でも基本は変わっていません。
これが、日本独自の磁気カード仕様である全銀統一仕様です。
この仕様は、国際規格と異なるもので、後に国際キャッシュカードや
国際クレジットカードとの乗入れのときに問題が起こる結果を
生むわけですが、原点はこの時代にあります。
■◇通帳印字装置に関して
また、この時代には、CDに通帳印字機能を付加すべきかどうか
の議論がありました。
米国式の異動明細を定期的に郵送するステートメント方式と、
日本の伝統的な通帳方式との優劣比較の議論がありました。
異動明細リストの作成コストと印紙税、郵便料金等の比較、
そしてなによりも日本人に古くから親しまれてきた通帳への愛着心
の評価等に関して議論がありました。
そして、当時の三井銀行が通帳重視の意思決定を行い、
通帳印字装置付きのCD機を開発し、有通帳式のCDの展開を始めました。
当時の三井銀行が有通帳方式のCD機を展開し始めたことをきっかけに
それ以降のATMには標準装置として通帳印字機構が追加されるようになりました。
この仕様は日本独自仕様です。
この仕様が、ATMの仕組みを複雑化しATMの製造コストを引き上げ、
オンラインのセンター側のソフトウェアも複雑化したことになるのかも知れません。
ATMへの通帳機能付加は、功罪の両面の評価があります。
今後の若い世代は通帳にこだわらない世代であり、
将来的にはATMの通帳記帳機能は、ICカードへの記録方式や
インターネット等での照会機能へと転換することになると思われます。
■CD機からATMの開発へ
その後、CD機は現金支払機能や残高照会機能だけでなく、
入金処理機能、為替振込処理機能、等の新機能が追加され
新型のATMが出現することになります。
そして、今ではATMはPC端末に現金の入出金処理機能のついた
インテリジェント端末へと成長しています。
顧客操作型の汎用的な端末入力機器へと変身してきているのです。
従って、PC機能を利用して、暗証番号の変更や宝くじの購入等の
新規の機能が比較的容易に順次追加されるようになっています。
今後も、ATMはコンビニ等に設置された簡単な現金処理機能の
端末機器と銀行店舗に設置してある重装備・多機能化機器の
二極分化の方向に進化するものと思われます。
ATM機器は、銀行の事務処理省力化の機器として開発されたものですが
今や社会の金融処理インフラとしての重要な位置を占めるように
なってきています。
ATMシステムが障害が発生するとわれわれの社会生活に多大な影響を
与えるようになって来ています。
最近も、ATMネットワークのトラブルで正常処理ができないという
障害が発生しましたが、トラブルなく安定したシステムの運営を
お願いしたいものです。
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