■続 「口座振替システム」について
■前回に引き続き「口座振替システム」に関して
口座振替システムは、利用者にとっては便利なシステムですが、
このシステムを開発・運用する側にとってはいろんな問題を含んだ
システムです。
■口座振替システムの問題点
口座振替は預金残高が引落額より大きいときには、スムーズに事務処理
が完了します。残高不足や口座に何らかの支障があり該当金額が引落
できない場合には、引落不能処理が発生します。
この引落不能処理に関しての処理パターンは各種あります。
個別企業と銀行の間で個別の契約がありこの契約に従い例外処理も
処理されます。
例えば、
クレジットカード会社の場合には、一定の期間同一金額での引落を繰り返します。
これは、銀行とクレジットカード会社の個別契約によるもので、口座へ
の入金があれば、この段階で引落が成立します。一定期間経過しても
入金がない場合には引落不能処理となります。
自行の住宅ローン等の引落もこれと同様な取扱になります。
これに対して、一般企業との契約は、引落不能の場合には、引落不能の
理由を付加して、依頼企業に不能処理結果が返却されることになります。
この引落不能データの依頼企業への返還処理方法も各種の
バリエーションがあります。磁気テープ、フロッピーベース、紙ベース、
通信回線を通じてPCベースでの返還方式等の媒体の問題とデータの還元
サイクルの取り決め等があります。
そして、この引落不能分の催促処理方法は収納機関により異なります。
引落不能データを返還された収納機関では、一般的には、催促の通知を郵便で
送ります。入金の方法に関しては、別の日に再引落しする場合や次回分に
繰越加算して再請求する場合や振込伝票により銀行やコンビニ振込方式に
切替える方法等があります。
これらは、収納機関の代金回収システムのルールに従うことになります。
■システム統合時のトラブル事例
前述したように、口座振替契約のデータの引渡しと返還方式は、収納機関
と銀行の個別契約になっています。
また、代金回収システムは収納機関別に異なっています。
過去において、システム統合で口座振替システムのトラブルがマスコミで
取り上げられたことが記憶にある方もいらっしゃると思います。
UFJ銀行のシステム統合処理時、みずほ銀行のシステム統合処理時には
大きな問題となりました。
銀行合併後のシステム統合過程でトラブルが発生するとこの口座振替
システムはデータ量が大量なことと新規データが毎日のように発生してくる
ために、コンピュータ処理、手作業部分の事務処理システムの両方の
システムの混乱につながり累積的にトラブルが大きくなっていきます。
その他の銀行のシステムの統合時にも小規模のトラブルは発生しているかも
知れませんが、トラブルの規模が小さい場合には短時間での修復が可能で
ありマスコミの話題にならないうちに処理される場合は多いのです。
システム統合でトラブルが発生する背景には、銀行と収納企業間のデータの
引渡しルールが異なり、この違いを合併統合システムでカバーしきれない
からです。
口座振替システムは、特定日にデータが集中することによりコンピュータ
の処理能力に大きな負荷をかけることになります。正常処理されていても
コンピュータの容量不足により遅延が発生する可能性もあります。
ここにトラブルが重なれば処理不能となり全体の事務処理が大混乱する
というシステム構造になっているのです。
(つづく)
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