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2005.04.22

■決済システムに関して

 
 今回からバンキングシステムの個別システムの概要に関して説明したいと
 思います。

 先ずは、「決済システム」から書いていきたいと思います。

■「決済システム」とは 

 決済システムとは契約によって取り決められたルールに従って、取引の結果を
 清算する仕組みのことです。
 人間社会にはいくつかの清算システムが存在します。

 ここでは、銀行の決済システムとして、金銭の清算を行う仕組みである、
 「資金決済システム」について説明したいと思います。

 今回は、「日銀ネット」「全銀システム」「手形交換制度」に関しての概要を
 説明したいと思います。

■日銀ネットについて

■日銀について

 ところで、日銀は日本銀行の略称ですが、何をする組織かご存知でしょうか。
 「中央銀行」、「発券銀行」、「銀行の銀行」、「政府の銀行」と
 呼ばれています。
 日銀の資本金は、政府55%民間45%の日銀法に基づき設立された「認可法人」
 です。商法上の法人(株式会社等)や民法上の法人(社団法人、財団法人)、
 総務省の定める「特殊法人」「独立行政法人」には該当しません。
 通常の株式会社とは異なりますが、出資証券が発行され、配当も支払われます。
 資本金は一億円で、JASDAQに上場され、出資証券は株式と同様に
 売買され、値段も時価により変動しています。
 現時点の売買値は、6,5000円という値が付いています。ご存知でしたか?

 日本銀行の基本機能としては、「発券銀行」「銀行の銀行」「政府の銀行」の
 3大基本機能を持っています。

■日本銀行は「発券銀行」

 日本銀行は円紙幣(日銀券)を発行できる唯一の銀行です。
 日本銀行券(一万円、五千円、二千円、千円)の四種類の紙幣を
 発行しています。
 紙幣は、独立行政法人である「国立印刷局」(旧大蔵省印刷局)で印刷され、
 日本銀行から発行されています。硬貨は日銀の発行ではありません。
 補助貨幣である、硬貨に関しては、独立行政法人「造幣局」(旧大蔵省造幣局)
 で鋳造され、政府により発行されています。

 そして、現金通貨は、日銀から銀行へ、銀行から企業や個人へと供給され、流通
 通貨としての機能を果たしています。また、汚れた紙幣等は、逆の流れとして、
 個人や企業から銀行へ、銀行から日銀に回収されます。

 実際の紙幣や硬貨で発行者の表示を確かめてみてください。 

■日本銀行は「銀行の銀行」

 日本銀行は民間銀行の当座預金を預かり、預金・貸付の取引や債券・手形の売買
 などの決済のための機能を提供しています。
 民間金融機関のみが日銀に当座預金を開設することができるところから
 「銀行の銀行」と呼ばれています。
 実際には、銀行、信用金庫、証券会社、証券取引所、証券金融会社、短資会社、
 預金保険機構等が当座預金口座を開設しています。
 一般の企業や個人は日銀に預金口座を開設できません。
 民間銀行に「預金口座」を開設します。

■日本銀行は「政府の銀行」

 日本銀行は、政府の預金を預かり、国庫金の出納事務(税金、社会保険、
 公共事業費等の政府の歳入・歳出に伴う受払い)、国債に関する事務
 (発行・流通・償還)、外国為替に関する事務(外国為替の平衡操作の
 ための為替介入)等を行っています。

 その他に、日本経済の景気調整機能や公定歩合の決定等の権限を持っています。
 詳細に関しては、割愛させていただきます。

■日銀ネット(日本銀行金融ネットワークシステム)

 日本銀行の役割に関しての概要はご理解いただけたかと思います。
 日本銀行の資金決済機能をシステム化したものが「日銀ネット」システムです。
 日本銀行と金融機関との間の資金決済をオンライン処理するシステムです。
 民間の金融機関は、個々の金融機関の取引の結果を日銀の当座預金の口座を利用
 して決済する仕組みになっています。

 日本銀行の本支店と参加金融機関は、日本銀行のコンピュータと通信回線で接続
 され後述する、「全銀システム」、「手形交換制度」、「外国為替円決済制度」
 等の最終の帳尻をこの日銀ネットで決済処理するシステムです。 

■全銀システム(全国銀行データ通信システム)

 全銀システムは、銀行相互間の内国為替業務を、通信回線を利用してオンライン
 処理するシステムです。
 内国為替という言葉が出てきましたが、この内国は外国に対する言葉です。
 為替には、内国為替と外国為替があります。
 為替の意味は、離れた場所にいる債権者と債務者間の決済処理を行う方法で、
 手形や小切手で貸借を決済する方法です。為替の歴史は古く、中世のころから
 為替による遠隔地間での資金決済が行われていました。

 ところで、
  皆さんが銀行の窓口やATMから他の銀行の支店の口座等へ資金の振込を行う
 場合には、この全銀システムを経由して、他行の受取人の口座に資金が
 振り込まれます。

 全銀システムは、すべての民間金融機関が加盟する国内最大のオンライン・
 インターバンク・システムであり、日本の決済システムの中核となる
 システムです。
 現時点では、1,700行前後の民間金融機関がオンラインで接続されています。

 全銀システムで取り扱われた資金異動取引の帳尻は前述の日銀ネットで
 清算される仕組みになっています。

■手形交換制度

 手形交換制度は、企業や個人の振出した小切手や手形を地域毎に設置された
 手形交換所で、金融機関別に相互に現物(小切手や手形等)を物々交換し、
 資金決済する制度です。

 商取引やサービス取引の対価を清算を行う場合には、予め銀行に当座預金を
 開設し、銀行が発行する該当口座専用の小切手や手形を利用して資金の決済を
 行うことができます。

 しかし、当座預金の口座開設は誰でもできるわけではありません。
 銀行による、一定の信用調査が行われ、審査をパスしてはじめて口座開設
 することができます。
 
 手形には約束手形、為替手形等があり小切手とは利用目的が異なります。
 ここでは、話を簡単にするために、小切手の場合を具体的な事例として
 説明します。

 企業や個人が商品やサービスの対価を支払う場合には、現金と同様の機能
 として、小切手に署名捺印した(個人の場合にはサインだけの場合もあります)
 小切手で代金の支払いを完結することができます。

 小切手を受け取る場合には発行人の信用を確認することが必要です。
 後述するように、必ずしも現金に換金できる保証はないからです。

 小切手を受け取った場合には、自分の取引銀行の預金口座に入金する
 ことにより、銀行に小切手の資金化を依頼することができます。

 銀行では同じ支店の当座預金から発行された小切手の場合には、当座預金に
 支払い資金に見合う預金の残高があれば、即時に現金化可能です。

 同じ銀行の他の支店発行の小切手の場合には地域により資金化の日数が異なる
 場合があります。

 他の銀行の支店で発行された小切手の場合には、手形交換所での交換事務が
 伴いますので資金化の日数は支払い地域により異なります。

 手形交換所に加盟の金融機関は、お互いに小切手を持出し、相手の金融機関に
 引き渡し、自分の銀行の発行した小切手を持ち帰ります。

 手形交換所では、物々交換と資金の決済が同時に行われているのです。

 そして、持ち帰った小切手は、真贋判定や署名捺印が事前に登録された
 署名捺印と同一かどうかの照合を行います。
 正当な小切手であるという確認ができた段階で当座預金から小切手に表示
 された金額を引き落とします。
 具体的には、当座預金から出金するということです。

 この段階で当座預金に残高がある場合に、はじめて資金化されます。
 もしも、該当する当座預金に残高がない場合には不渡り小切手として、
 入金先の銀行の支店の口座に返還されます。
 この場合には、小切手は不渡りとなり、資金決済は行われません。
 不渡りかどうかの判定には時限性があり、資金化のタイミングと連動して
 います。
 やや細かい話なのでわかりにくいかも知れませんが詳細は割愛いたします。

 不渡りを繰り返すと信用を失い、銀行から取引停止処分を受け、当座預金は
 強制解約になります。
 半年間に2回の不渡り届けが取引銀行から提出されると当座取引と貸出取引が
 2年間禁止されます。
 銀行と取引ができなくなると事実上の倒産につながる可能性が大となります。

 小切手は、企業や個人の信用を裏付ける証拠になるという意味がお解かりに
 なりましたか。
 
 この手形交換制度で交換された小切手の銀行間の資金決済も最終的には
 日銀ネットにより、銀行間の帳尻が決済されます。

 今回はここまでにしておきます。

 最近は流通する小切手や手形の量は減少傾向にあります。

 不景気ということもありますが、小切手や手形以外の電子決済システム等への
 シフトが行われており、小切手自身も「電子化」が行われつつあるからです。
 

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