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2005年5月

2005.05.01

■ペイオフと「名寄せシステム」について

ペイオフの本格的解禁と「名寄せシステム」について

■はじめに

2005年4月からついにペイオフが本格的に実施されました。
言うまでもなく、当座預金や利息の付かない普通預金は「決済用」として全額
保護され、定期預金や利息の付く普通預金などは1金融機関につき預金者1人
当たり、元本1千万円までとその利息が保護される制度が解禁されました。

この「ペイオフ解禁」までには、紆余曲折がありました。

ペイオフ制度そのものは、1970年代に創設されましたが、90年代初頭に
信用組合の破たんが続き、ペイオフを凍結解除すると、預金者に動揺が広がり、
ひいては金融システムの危機につながりかねないと判断して、ペイオフ制度を
緊急避難的に凍結しました。

1996年には、2001年3月末までの間、特例措置として預金の全額を保
護することを決め、再び2002年3月末までペイオフ凍結を延長することに
しましたが、更に、再延長になり、2005年4月から本格的に開始になりま
した。ペイオフ制度は、創設から実に30年以上もかかったと言うことです。

ところで、このペイオフで問題になるのは「名寄せシステム」の方法について
の問題です。バンキングシステムは勘定の処理に関しては厳密な処理システム
を構築しているのですが、お客様の属性情報の管理システムに関しては、ルー
ズな面がありました。

マネーロンダリングの防止のための「本人確認法」の施行により、個人に関し
ての属性データも厳密に管理されるようになりつつありますが、それ以前の個
人の属性情報に関しては、借名預金や架空預金口座が多数開設されていました。
また、新約時には正確であったデータも更新がなされておらず、使えない、ご
み情報が多数存在しています。

皆さんは、銀行の預金口座で転居時に、住所等を変更なさっていますか?
結婚して姓が変わったときに改名届けをだしていらっしゃいますか?
転職した場合、銀行に届けを出していますか?

キャッシュカードが普及したために、キャッシュカードさえあれば、現金の出
し入れは不自由しないために、住所や勤務先の変更をしないでほったらかしの
お客様が多いのです。
これらの更新されない古い情報を使ってのマーケット分析には自ずから限界が
存在しています。いわゆる「GIGO」(ギャベッジ・イン・ギャベッジ・ア
ウト)と呼ばれる、役に立たない高額なシステム開発費用を支払った「情報シ
ステム」が数多く存在しています。

そこで、今回は、この「名寄せシステム」について考察してみたいと思います。

■名寄せシステムとは?

ところで、銀行の大衆化路線戦略とバンキングオンラインの普及により、個人
のお客様も法人のお客様も複数の金融機関に複数の取引口座を持ち、金融商品
が増えるに連れ、ひとりでいくつもの口座を開設したり、同じ銀行に何種類も
の商品を預けることが当たり前のようになっています。

ところが、ペイオフ解禁で預金の保護範囲が限定されるに伴い、預金の主体が
誰なのか明確にならないと預金総額を算出することが出来ません。その主体を
確定させることで重視されるのが「名寄せシステム」です。
「名寄せ」とは1銀行で1預金者の預金の合計金額を特定させる作業のことと
定義されます。従って「全店名寄せ」が必要になります。この「全店名寄せ」
は、実際に実施するとなるとデータの不備等により、いろいろな問題が発生し
てきます。

「名寄せ」の歴史は、バンキングシステムにとっても、古くて新しいテーマな
のです。

そこで、今回はこの「名寄せシステム」に関して過去を振り返ってみたいと思
います。

■CIFの時代

そもそも、「名寄せ」と言う言葉は、1960年代の第一次オンライン時代に
遡ります。
私が銀行に入行した1968年に始めて目にしたマニュアルが、米国のバンク
オブデラウェという銀行のCIFシステムの英文の事例マニュアルでした。

バンキングシステムがコンピュータで処理されるようになり、折角コンピュー
タ化されたデータを有効利用しようということになり、CIF(カスターマー
・インフォメーション・ファイルの略)の言葉が登場しました。バラバラのシ
ステムに分散しているデータを一元的にまとめて、総合的な顧客情報管理シス
テムを作ろうということに原点があります。

米国では、英数字文字の文化ですので名前もアルファベットでコンピュータに
入力が可能でした。しかし、当時、日本に米国から輸入されたバンキング用の
システムは、カナや漢字の処理する機能はなく、ローマ字か英文字と数字だけ
を使ったバンキングオンラインからスタートせざるを得ませんでした。ローマ
字の「名寄せシステム」には限界があるのは当然でした。また、この時代のコ
ンピューターシステムは、ディスク装置も高価であったために顧客属性等の登
録を最小限にした磁気テープベースのシステムでお客様の情報を一元的に活用
して、顧客採算等を分析しようと言うものでしたが、「名寄せ」は人手により、
CIF番号を採番し、これに口座番号・取引番号を関連付けると言う仕組みの
システムでした。

従って、名寄せの対象先は、大口の優良顧客に限定されたものでした。

■CISの時代

1970年代になり、第二次オンライン時代になると、「総合オンライン」と
いう概念になり、カタカナを利用できるようになりましたが、漢字を本格的に
使うまでには至っていませんでした。しかし、預金・為替・融資・ローン・外
為等の業務処理が総合オンラインシステムとして連携して動くようになってい
きます。

単に、情報の一元管理だけでなく、事務処理の省力化にも大きく貢献するよう
になります。この中で省力効果の大きかったシステムが預金と為替の自動結合
システムでした。この時代の為替の振込電文には現在と異なり、口座番号が入
力必須項目ではありませんでした。そのために、カナの振込人名から振込口座
番号を索引して、自動的に預金口座に振込入金処理を完結すると言うシステム
の開発を行いました。

即ち、この時代の「名寄せシステム」の関心は、同名異人、類似名の処理がシ
ステム構築の関心事でした。如何に、正確に、為替と預金の自動結合率を上げ
るかに関心を示した時代です。その後、為替の振込には、振込口座番号の入力
が必須項目になり、自動結合率は飛躍的に向上したのですが、これ以前のシス
テムとして「預為結合システム」の開発を懐かしく思い出されます。

この時代には、CIFは単なるファイルを作成するだけでなく、システムとし
て有効活用するという意味で、CIS(カスターマー・インフォメーション・
システム)とも呼んでいました。

■M-CIFの時代

CIF/CISのことをM-CIF(マーケティング・シフ)と呼ぶようにな
ったのが第三次オンラインの時代です。
1980年代の第三次オンライン時代になると、事務処理の省力化の追及は勿
論のことですが、バンキングシステムは、マーケティング戦略に活用すること
に重点を置いていきます。バンキングシステムを戦略ツールとして活用してい
こうという意識が高まっていきました。

お客様の情報を業容拡大、新規顧客の開拓、潜在顧客の掘り起こし等に活用し
ていこうということに関心が向いた時代です。従って、お客様の属性情報をで
きるだけ多く入力し、この属性情報を利用してマーケティング戦略に利用しよ
うという時代です。
この時代には、銀行店舗の開設には規制があり、どこに出店すべきか決定する
ためにエリアマーケティングの手法が適応された時代です。

■CRMの時代

カスターマー・リレーションシップ・マネジメント(CRM)と呼ばれる時代
がくるのが1990年時代以降になります。インターネットバンキングやテレ
ホンバンキングの普及、ATMのネットワークの拡大により銀行店舗に行かな
くても銀行取引の大部分を処理できるという時代になりました。お客様の「店
頭離れ」という現象が顕著になってきたのです。

銀行とお客様の接点がマルチチャネル化することになり、お客様との接点が多
重化してくるためにお客様とのリレーションシップを重視するためのシステム
の構築が必要となったのです。お客様の銀行取引に関してのビヘイビァや電話
での照会に接遇するためのコールセンターの機能の拡張がはかられました。

ここでは、マルチチャネルでの取引を一元的に管理するための「名寄せシステ
ム」が必要となってきたのです。

■本格的なペイオフ時代

今年から、本格化したペイオフ実施の時代になると「預金保険」の支払のため
の「名寄せシステム」が重視されるようになります。ところが、バンキングオ
ンラインの歴史から取引の長いお客様の属性データは不完全な状況でシステム
が稼動しているのです。従って、「名寄せ」に必要な最低限の「氏名・生年月
日・住所」すら正確に入力・保存されていなかったのです。これが、ペイオフ
のための「名寄せシステム」の精度向上が問題としてクローズアップしてきた
ということです。

■まとめ

「名寄せシステム」という言葉は、IT技術の進歩と金融環境の変化によりい
ろいろと意味合いが異なってきました。

その時々のニーズに応じて、「名寄せシステム」は、進化を遂げてきたわけで
すが、根本的な問題として、「本人確認法」の施行以前のデータは精度が低く、
その後の更新もなされないままに放置されていたというのが現実です。

従って、コンピュータに蓄積された、属性情報は、現実とは離れた情報を蓄積
していることになります。従って、これらの情報を更新するための仕組みを組
み込む必要があります。この方法として、ローンやクレジットカード等のセッ
ト販売により、新規データに更新する等の方法が必要ということになります。

単純に「名寄せシステム」といっても時代背景により、異なる意味合いがある
ことをご理解いただけたでしょうか。

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■フィシングに関して

今回は、最近話題になっている「フィシング」について書いてみたいと思います。

「UFJ銀行をかたったフィッシング・メールが3月14日夜に確認された。」とい
う報道がありました。いよいよ銀行も狙われ始めたと言うことです。このフィ
シングメールでは,「オンラインでの本人確認が必要となる」として,偽のサ
イトに誘導。ログイン後にクレジットカード番号や有効期限などの入力を促し
ているとのことです。現時点では、「金銭的な被害が発生する可能性は低い」
とのことですが、今後も各種のフィシングメールが皆さんのメールシステムに
飛び込んでくるかも知れません。ご注意ください。

このUFJ銀行の偽サイトはすべて海外にあり、日本のフィッシング情報サイ
トによると,韓国やアルゼンチンにあるサーバーがクラッカに不正アクセスを
受け,UFJ銀行に似せた偽コンテンツを置かれたとのことです。

ところで、「フィッシング」とは何でしょうか?

 このフィッシングは、英語のfishing(魚釣り)ではありません。「phishin
g 」と書きます。個人の情報を盗み取り、金品を釣る上げるということで、意
味的にはfishingですが、英語では、phishingと書くのだそうです。

なぜ“f”ではなく“ph”なのでしょうか。ユーザーを釣るためのえさ(メー
ル)が“sophisticated(精巧)に組み込まれているから”、ということのよ
うです。

フィッシング犯罪の多発している米国では、その手口は数百種類にも及んでい
るそうです。米国で被害にあった人の苦難をテレビで見ましたが、人生を狂わ
されるような被害も多発しているようです。われわれも気をつけたいものです。

一般的なフィシングの手口は以下のような手順で行われています。

?実在の大手金融機関やクレジットカード会社、ショッピングサイトなどを装
ったメールを非合法に入手したり、また、ランダムに収集したメールアドレス
に送付します。

?メールにリンクを貼り付けて、その金融機関やショッピングサイトにそっく
りな「罠のサイト」に誘い込みます。

?偽のサイトで、クレジットカード番号やID・パスワードなどを入力させてそ
れを入手するのです。

?入手した個人情報を利用して、ネットショッピングで買物をしたり、クレジ
ットカードの偽造カードを作り、キャッシングサービスで現金を入手します。

 ほとんどの人は、インターネット上でクレジットカード番号やID・パスワー
ドなどの情報を入力することは危険であるということは知っています。
しかし、フィッシングの場合、実在する大手金融機関や一流企業の名前でメー
ルが届くので、現実にはその電子メールが偽者であると見抜くのはかなり難し
いとのことです。

つい、うっかりと信じてしまうということです。それだけ巧妙・精巧に仕組ま
れているということです。

■海外の状況

フィッシング(偽装Eメール)の問題は、米国の企業では大きな社会問題とな
っています。フィッシング詐欺などに関する調査結果を要約すると、

1年間に、偽装Eメールを受け取った米国人は約5,700万人も存在し、198万人の
インターネット利用者が、1人平均1,200ドルの被害を蒙ったということです。
盗まれた個人情報の種類は、「氏名」「住所」「社会保障番号」「クレジット
カード情報」などで、銀行及びカード会社が受けた直接的な損害(個人への保
証など)額は約12億ドルということです。
 一流企業やハイブランド企業の名前をかたっていることもあり、メール受信
者の約5%が返信しているとのことです。まだまだ、被害は続くようです。

■日本の現状

 わが国ではフィツシングによる被害はそれほど表面化していません。冒頭に
書いたように、UFJ銀行のインターネットバンキングを装ったメールが発信
されたようですが、日本でもそろそろ被害が発生しそうです。

 経済産業省が「フィツシング対策協議会」を立ち上げたのもこのような背景
があるからです。
   http://www.meti.go.jp/press/20050204013/20050204013.html

過去においても、クレジットカード会社の名前をかたってカード番号などを送
らせようとする詐欺メール事件も発覚しています。
 このクレジット会社によると、詐欺メールの件名は「おめでとうございます
一万円分のギフトカードの当選です」となっていたそうです。メールの本文に
は、「当選を確定させるため、あなたの住所、氏名、会員番号(カード番号)
や有効期限などをこのメールの返信として送ってください」といった内容が書
かれおり、送信者のアドレスは、同社とは無関係の、あるプロバイダから付与
されたと思われるアドレスで、特に“偽装”はされていないということです。

警察庁もフィッシングに対する注意喚起の文書を公表しており、大手銀行など
もホームページ上でも、自行の名前をかたった迷惑メールへの注意を呼びかけ
ているというのが日本の現状です。

■まとめ

現在のインターネットは、メールの送信者を偽ることが技術的に可能であり、
それがフィッシング詐欺の温床にもなっています。

また、いろんなソフト会社から「フィツシング対策ソフト」も販売されるよう
になってきました。しかし、またまだ、一般に普及する段階ではありません。
従って、今のところ「ユーザー自らが不審なメールには注意深く対応する」と
いう、ウィルス対策と同様の鉄則を守ることしか対策はなさそうです。

フィッシングメールの出現により、金融機関は、個人情報保護とEメール・マ
ーケティング戦略の見直しという、新たな二つの課題に取り組むことが求めら
れています。

個人情報保護法の施行が4月から開始されます。より、一層のセキュリティー
対策の強化が望まれます。

なお、私の関係している、イーセキュリティ・ジャパン株式会社という会社で
は、イスラエル製のフィシング対策用のソフトを採り扱っています。情報をご
希望の方は、ご照会ください。

  http://www.esecurity.co.jp/

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■続 偽造事件に関して

■前回に引き続き、偽造の問題をとりあげます。

■便利なATM網拡充の陰で

 ATM網の拡充や相互乗り入れが普及したのは、キャッシュカードと四桁の
数字の暗証番号だけで手軽に現金の出金が可能だからです。
 しかし、この手軽さに盲点があるということを理解しておく必要があります。
「利便性とリスク」は裏腹の場合が多いのです。

 日本の銀行のキャッシュカードの発行枚数は四億枚とかいわれています。こ
れらの発行済みのキャッシュカードのすべてが有効かどうかは不明ですが、こ
れらの磁気ストライプ付のキャッシュカードをICカードに切替えるコストと
ATMの改造コストが多額にになるために、銀行はICカード化に積極的では
ありませんでした。
 この間隙を縫って、今回のゴルフ場のセフティーボックスを利用したキャッ
シュカードのコピー事件が発生したことになります。

■今回の事件への具体的対策

 今回のキャッシュカード偽造事件に対する銀行側の対策としては、「ICカ
ードへの早期切り替え」、「支払限度額の引き下げと自由設定方式の採用」、
「バイオメトリックスによる本人識別技術の採用」等のシステム上の対策がな
されることになります。

 更には、「保険制度による損失補償対策」等も検討されることになるものと
思われます。

 しかし、フランスではICカードの偽造事件も発覚しており、これらのハイ
テク偽造犯罪に対して何処まで偽造防止できるかは犯罪者との知恵比べという
ことになります。

■キャッシュカード発行の歴史

 ところで、キャッシュカードが世の中に出始めたのは昭和40年代にさかの
ぼります。当時の三菱銀行が大衆化戦略の一環として、キャッシュカードの発
行とオンラインCD機器(現金自動支払機)設置戦略を独自の戦略として大々
的に展開したことが発端になっています。

 この三菱銀行の飛び抜けたCD設置戦略に対抗して、三菱銀行以外の銀行が
結束して、将来の相互乗り入れのために「キャッシュカードの仕様を統一すべ
き」という主張を打ち出しました。この動きの中で、現在の日本独自の「全銀
統一キャッシュカード仕様」が決定されました。
 この全銀仕様は後日、クレジットカードが普及する段階で国際的な仕様であ
るABA仕様と全銀仕様の仕様が一致せず、裏と表に磁気ストライフを貼り付
けるという仕様になってしまう結果を生んだのです。

 さて、全銀統一仕様の決定により、旧三菱銀行は既設のCD機器の改造と発
行済みのキャッシュカードを全銀統一仕様にあわせたキャッシュカードに全面
的に差し替えざるを得ないという結果となりました。旧三菱銀行は一時的には
大きな損失を発生させたという経緯があります。

 歴史は繰り返すというか、昨年から東京三菱銀行が「手の平血流」を利用し
たバイオメトリックスによる本人確認を可能とするATMとICカードを展開
しようとしていた矢先に今回の預金口座から大量の預金が引き出される事件が
発覚しました。業界団体や金融庁の監督官庁の要請もあり、全銀レベルでの対
策がクローズアップされてきています。

 またまた、このICキャッシュカードのバイオメトリックス方式の仕様で統
一すべきか否かの議論が生じています。

 東京三菱銀行とUFJ銀行は、「手の平血流」による本人確認方式を採用の
予定であり、他方、三井住友銀行とみずほ銀行等は「指先血流」による識別方
式を採用ということになりそうです。この二方式は互換性がなく、他の金融機
関の動向も注目されます。

 この動きは、まさに昭和40年代の先行する旧三菱銀行に対抗して、他行が
大同団結してキャッシュカードの全銀統一仕様を決定した構図と類似していま
す。果たして、今回のバイオメトリックス方式は統一されるのでしょうか。そ
れとも、他社のATMを利用するときにはICカードの機能のみでバイオメト
リックス機能は利用しない方式になるのでしょうか?動向が注目されます。

 今回のバイオメトリックス方式に関しては、富士通グループと日立グループ
の両陣営の競争となりそうです。

 日本では、古くにはビデオテープの仕様でVHSとベータ方式の争いがあり
ました。また、次世代のDVD方式に関しても、ソニーグループと東芝等のグ
ループの仕様の対立があります。ICタグに関しても米国を中心とする仕様と
坂村教授を中心とする日本仕様が存在します。次世代の携帯電話の仕様でも通
信仕様の対立があります。

 技術進歩のためには、このような仕様の対立があり、相互に競争することに
より技術と生産技術が切磋琢磨されていく必要があるのかも知れません。競争
のないところには技術進歩は存在しないのかも知れません。競争による無駄は
進歩のための必然のコストということかも知れません。

 銀行のバイオメトリックスの仕様に関しても今後の動向が注目されます。

■銀行の預金に関する偽造事件とその対策の歴史

 これまでにも、銀行預金口座から預金を本人の知らないうちに引き出される
事件は数多く発生しています。銀行側の対応は、常に後手後手の対応しかとら
れてこなかったというのは事実です。いくつかの事例を振り返ってみたいと思
います。

■キャッシュカード内への「暗証番号」記録方式の変更の経緯

 制定された当初の全銀統一仕様のキャッシュカードには、磁気ストライプの
中に「暗証番号」を記録するエリアが存在していました。
 ところが、磁気ストライプの内容を読み取る装置と磁気ストライプをコピー
する装置が秋葉原の電気店で売られていたために、暗証番号が読み取られ、こ
のコピー装置を使ったキャッシュカードの偽造事件が問題になりました。この
ために、従来の仕様を変更して、暗証番号を磁気ストライプから消去するとい
う方式に変更しました。暗証番号はキャッシュカードから消去し、コンピュー
タセンター側に記録する方式に変更した経緯があるのです。古いキャッシュカ
ードでそのままずっと利用していないものに関しては、暗証番号が磁気ストラ
イプの中に記録されているものが稀に残っているかも知れません。一回でも利
用すれば、この暗証番号はリセットされているはずですが・・・。

 この事件の教訓として、キャッシュカードの磁気ストライプ情報のコピーは
可能であり危険であるということは分かっていたのです。しかし、この犯罪防
止対策として、「磁気キャッシュカード方式は温存したままで、四桁の暗証番
号さえ盗まれなければ安全である」ということにしたのです。

 そして、四桁の暗証番号に生年月日や電話番号、住所の一部や1234とか
1111とか7777とかの番号を使わないように注意を喚起することと、暗
証番号を一定回数間違ってインプットするとキャッシュカードを使えなくする
等の機能を組み込んで安全対策としたのです。

 この暗証番号も盗み取る方法がいくつか発覚しています。手口を公開するこ
とになるので詳細に説明することはできませんが、ATM装置で暗証番号を入
力操作している場面ををマイクロカメラで撮影する方法により盗み取る方法や
今回のゴルフ場のセフティーボックスの暗証番号を盗み、キャッシュカードの
暗証番号を推定する方法等があります。

 一連の事件をきっかけにして、銀行側の緊急対策として、コピーしやすい「
磁気ストライプ方式」を廃止して、ICカード方式に切替え時期を急ぐことに
なったのです。

■預金通帳の「副印鑑」方式も安全ではなかった

 預金通帳の副印鑑方式というのも昭和40年代に考え出された方式です。現
在では「郵便貯金通帳」以外では大部分の銀行の預金通帳はこの副印鑑方式を
廃止しました。この副印鑑から印鑑を特定できることと、偽造印鑑をつくるこ
とも可能ということで、犯罪事件が多発したからです。

 そもそも、通帳に副印鑑を付与することになった背景には、銀行の取引支店
以外の他店での預金の引き出しを可能とすることになったのです。CD等の機
器が普及していない段階では、提携他行での預金の引き出し等の利便性のため
に通帳に印鑑を貼り付ける「副印鑑方式」が必要となったのです。

 当初は、通帳に特殊インキで印影を押印し、この上に黒いカバーを貼るとい
う方式を採用していました。印鑑照合する場合には特殊な光線を発する装置で
この副印鑑を読み取る方式を採用していたのです。

 しかし、この方式は、副印鑑作成の手間、印鑑照合装置のコスト等から旧住
友銀行が採用した「オープン副印鑑方式」という印影に透明のビニールシート
を添付するだけの簡易方式でした。そして、この簡易方式がコストセーブにつ
ながるという理由により、一斉に他行横並びで一般的な方法として普及してし
まったのです。

 ところが、この印影を使っての偽造印鑑技術が進歩してしまい偽造印鑑によ
る預金詐欺犯罪が多発するようになったのです。この結果として、今ではほと
んどの銀行は副印鑑方式を廃止し、ファイルに印影イメージを登録する方式に
切替えたのです。

 これも、技術の進歩と本人確認方法という重要なセキュリティー対策の弱点
を犯罪の対象として狙われた事例です。

■その他の偽造方式について

 以上のように「銀行の預金通帳と磁気キャッシュカード方式」には過去の経
緯からもいくつもの弱点を持ったシステムだったのです。

 これ以外にも、最近は、新たな「フィッシング」と呼ばれる詐欺事件も発生
しています。 また、インターネットカフェにキートレースソフトを組み込み
口座番号、暗証番号を盗み取る方法による預金口座からの預金詐欺事件も発覚
しています。

 これらに関しても別途とりあげたいと思っています。

 銀行の預金約款では、偽造印鑑による引き出しについては銀行は免責条項を
設定しており、この免責事項に関していくつかの裁判が行われています。

 日本独自の伝統的な「印鑑と通帳と磁気方式のキャッシュカード」方式には
正しい使い方をしなければ、多くの弱点が顕在化してしまうということを認識
すべきということになります。

■まとめ

 銀行は、預金者の大切な財産を預金として預かっているわけであり、この預
金の引き出しには細心の注意義務を負うことになります。時代の流れと技術進
歩により、「事務の合理化と利便性の提供のために採用されたシステム」が「
安全性」に関しては弱点を顕在化させるという状況となっています。

 いつの時代にも「利便性とリスクは裏腹」という現実には変わりはありませ
ん。

 犯罪を行う人間はいつの世にも存在します。

 今回の磁気ストライプ方式のキャッシュカードをICカード方式に変更して
も、バイオメトリックスの本人確認方式を採用したとしても100%安全確実
と言う保証はありません。
 預金者保護の観点からも保険制度の導入が不可欠ということになります。

 また、並行して、預金者本人に対するリスクを回避するための方法の啓蒙教
育、銀行内部の犯罪防止対策、最新技術革新からの防御法の研究等の総合的な
対策が不可欠ということになります。

 読者の皆様も、これらのリスクを十分ご理解のうえ、「預金通帳と印鑑は同
一場所に保管しないこと」、「キャッシュカードは常に身に付けておくこと」、
「暗証番号は類推されやすい番号は使わないこと」等の基本的なことを改めて
確認していただき、犯罪事件に巻き込まれないようご注意ください。

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■一連の偽造事件について

■一連の偽造事件について

 今回は、「高速化技術」に関する話題から急遽予定を変更して、最近話題に
なっている一連の「偽造事件」に関するトピックスをとりあげてみたいと思い
ます。

 今話題になっている、偽造紙幣、偽造硬貨、偽造キャッシュカード、そして
フィッシング詐欺事件に関してです。

 全く、物騒な世の中になったもので、いろいろなニセモノが出回る時代にな
ってしまいました。

 偽造の一万円札、偽造の五千円札、偽造の千円札、更には、偽造の5百円硬
貨が大量に出回る時代になってしまいました。

 偽造紙幣は、カラーコピー機の高精度化、パソコンのスキャナー技術とプリ
ンターの高精度化によりパソコンで安易に偽造紙幣が印刷できてしまう時代に
なってしまいました。
 この偽造の中には、中学生がパソコンを使ってスキャナーとカラー印刷機で
作った粗悪なものから、プロ集団が組織的に大量に作ったと思われるものまで
様々のようです。
 それでも、紙質による手触り、透かしの技術までは偽造されていないのでよ
くよく注意すれば偽札の判断は可能なようですが、暗い中や混雑していて急い
でいるときには見過ごしてしまいがちですので要注意です。

 偽造防止策として今回の新札が発行されたわけですが、この切替えのタイミ
ングを見計らっての年末年始にかけての旧札の偽造事件とは偽造団もなかなか
の知恵者ということでしょうか。

 日銀は、当初の計画を速めて旧紙幣を一挙に新札に切替える方針とのことで
す。

 偽造紙幣に関しては、国内では注意喚起する報道がなされたので犯人側も慎
重になり、一連の偽紙幣事件は沈静化の方向に向かうものと思われます。しか
し、円も国際化しており海外でも円の紙幣は結構流通しています。多額の偽札
が海外で流通しているのかも知れません。円の国際化の反面として困ったもの
です。

 偽札の歴史は古くからあり、国際的なスパイ機関が関与しているという風潮
もあるぐらいですから、われわれの身近な問題として気をつける必要がありそ
うです。
 今のところは、ATM等の機械ではこれらの偽造紙幣は自動判別機能により
はじかれているようなので一安心と言うことになりそうですが・・・。

 もう一方の、偽造5百円硬貨も新たな手口として一万五千枚以上の大量の偽
造硬貨が発見されということであり、これはATMや自動販売機の判別機能を
すり抜けているようなので深刻な問題になりそうです。この五百円硬貨に関し
ては、製造コストの関係から偽造団の手取りの利益はどの程度のものかは不詳
ですが、問題としてはこちらの方が深刻かも知れません。一時期、韓国のウォ
ン硬貨が500円硬貨と誤認しやすく、サイズやデサインの変更を行ったタイ
ミングで今回の事件であり、偽造団と発行当局の知恵比べということになりそ
うです。

 偽造事件に関しては、偽造テレカ、偽造オレンジカード、偽造パチンコカー
ド、偽造商品券、偽造高速道路券、偽造の株券等々と各種の事件が発生してい
ます。どこかに偽造を専門とする犯罪集団が存在するかにも思えます。先日も
大量のビール券が国際郵便で送られてきたという報道がありましたし、クレジ
ットカード用の生カードが海外郵便で送られてきて発覚した事件も報道されて
いました。

 外国のスパイ映画等を視ていると偽造パスポートも簡単につくれるようであ
り、おそらく発見されない偽造パスポートが世の中に多数出回っているのかも
しれません。外国人の不法入国、テロリストの入国防止対策として、パスポー
トについてもICチップを組み込んだ新パスポートも実験段階から本格導入に
移行の予定とのことです。

■銀行のキャッシュカードの偽造事件に関して

 「振込め詐欺」の集団が逮捕されたという報道がありましたが、この被害額
が100億円以上ということで、全く驚くばかりです。手口もかなり巧妙なよ
うで、マニュアルまで発見されたようで組織的な犯罪のようです。人の弱みに
巧みにつけこんだ電話での演技力抜群の話術で、手口も巧妙になり騙されてし
まうと言う事件が多発しているということであり、犯罪に利用されやすい預金
口座の売買を罰する法律も制定され、具体的な逮捕者のでたとの報道もありま
した。

 ところで、これとは別の事件として、銀行の預金口座が狙われる事件が大き
く採り上げられました。ゴルフ場の貴重品ボックスを開けられ銀行のキャッシ
ュカードがコピーされ、暗証番号もゴルフ場の貴重品ボックスの暗証番号から
推定され預金が知らない間に引き出されてしまったいう事件です。この事件を
発端として、銀行のキャッシュカードのIC化と本人確認手段としてバイオメ
トリックス技術の採用がアナウンスされることになりました。
  
 一部のテレビで暗証番号が分からなくてもキャッシュカードのスキミング(
コピー)だけで、預金引き出しが可能との報道がなされていましたが、これは
事実誤認です。現在はセンター暗証照合方式になっており、オンライン元帳上
に記録された暗証番号と一致しなければ預金は引き出せません。また、一定回
数以上誤った暗証番号を入力しますと、このキャッシャカードは利用不可とな
ります。そんなにいい加減な仕組みになっているわけではありませんが、暗証
番号はたったの四桁ですので、他人に推定され難い番号を設定するようにご注
意ください。

 銀行のキャッシュカードが偽造される危険性に関しては、従来から指摘され
てきており問題にはなっていたのですが、国民一人当たり四枚以上といわれる
大量発行のためにICカードへの切替えコストの問題でICカードへの切り替
えが遅れていたという事情にあります。

 今回、このICカード切替えに関しては、東京三菱銀行との合併を予定して
いるUFJ銀行が「期間限定で今年の六月までは、無料発行する」というアナ
ウンスと「預金口座の偽造被害に関しても過去にさかのぼって銀行が補償する
ことを前向きに検討する」とのアナウンスが報道されました。他の銀行が条件
付で有料化としていたことに対してのアナウンスであり、他行の対応が注目さ
れます。

 銀行の預金口座の詐欺事件に関しては、またまだいろんなことがあります。
詳細に説明すると銀行不信に陥ってしまうかも知れませんので公に公表するこ
とを躊躇せざるを得ませんが、いろいろな過去の経緯を経て、現在のシステム
が存在し、今後はICカード化の方向になったと言うことになリます。このあ
たりの経緯に関しても歴史的な事実として記録しておきたいと思います。

 詳細に関しては更に長くなりますので、次回にしたいと思います。

 今回と次回に関しては、当初の流れから脱線しますが、ちょつと気になった
ので、トピックスとして採り上げることにしました。高速化技術やハイテク技
術に関しては、身近に感じられずに、分かりにくいテーマと思いますので、チ
ョツト休憩とさせてください。

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■「高速機関」の高速化の原理について

■「高速機関」の高速化の原理の解説とベンチマークデータ

 前回に引き続き「高速機関」について解説していきます。

「高速機関」に関しては、いくつかのベンチマークテストの実績データがあり
ます。

 いろんな前提条件があるものの、いくつかの事例を紹介します。

☆事例1
 金融機関のソフト子会社の事例では、590万件のオラクルRDBで1時間
48分を要する月次バッチ処理を49秒で処理したという実績があります。

☆事例2
 あるベンダーのバッチ処理では、12時間を要していたオラクルDBベース
の買掛金消し込み作業を40分で処理可能となっています。ただし、この内訳
としては、36分はオラクルからのデータ取り込みと戻しのための時間であり、
正味の処理時間は4分ということになります。12時間かかる処理を4分で処
理可能であったと言うことです。

☆事例3
 ある製造メーカーの事例では3時間かかっていたバッチ処理を一分程度で処
理を完了しています。

 このように、安価なパソコン程度のマシンを使って、従来では考えられない
高速処理を実現しているのです。

 この「高速機関」の技術を活用することにより、低コストで高速処理を実現
できるシステムの構築が可能であるということをご理解していただけるものと
思います。

■高速化の原理

 それでは、何故こんなに高速処理が可能なのでしょうか。

 まず、一般論として、高速処理のための手法としては、どんなことを考えれ
ばよいかを考えてみたいと思います。

 コンピュータ処理のネックとなるのはファイルの入出力のための時間です。

 ファイル装置の代表としてディスク装置を考えてみます。このディスク装置
は、磁気ディスクを回転させて、アクセスのための磁気ヘッドの機械的な動き
によりデータを読み書きする装置です。従って、この回転とアームの動きがあ
る以上は物理的なスピードを超えることは不可能です。CPUの処理能力のア
ンバランスを解消することはできないのです。ディスク装置を従来の方法でア
クセスしていたのでは、電子のスピードには到底到達できないのです。

 そこで、このディスクをICメモリーで置き換えて高速化を図る方法があり
ます。「半導体ディスク」と言われるものです。この装置を導入することによ
り、ディスクの入出力は速くなります。しかしこれでも、コンピュータのメモ
リーと半導体メモリーのデータのやり取りが必要であり、チャネルスピードに
は限界があります。また、大容量の半導体ディスク装置のコストは高価なもの
になっていしまいます。簡単には普及しない方法です。

 次に考えられるのが、データを圧縮して、小さくなったデータベースをメモ
リー上に常駐させる方法が考えられます。

 これにより、処理スピードは速くなります。

 実際に従来のRDBのデータベースをそのまますべてメインメモリーに常駐
させてスピードアップさせた事例もあります。
 しかし、単純なこの方法では、思うようなスピードアップは図れなかったと
言うことでした。そこで、データベース構造に手を加えることと64ビットマ
シンを利用することにより、高速化を実現させたという報告があります。この
報告による実績では、12時間かかっていたバッチ処理が64ビットマシンと
新たな技術を活用して12分に処理を短縮できたということになっています。

 このように、新たな処理方式により高速化している事例はいくつか見つける
ことができます。

「高速機関」の事例や関連技術としては、下記をご参照ください。

 https://sec.qqq.or.jp/db/kousoku_ext.html

 http://www.karuwaza.com/products/index.html

 https://sec.qqq.or.jp/db/karuwaza/index.html

 上記の「軽技WebSuper」のエンジンとして利用されているのが「高速機関」
です。

「高速機関」と同様な高速処理を売り物にした類似の商業システムはいくつか
あります。
 ただし、これらは更新処理を前提としておらず、Excelのお化けと言うシス
テムだと推測されます。

 具体的には、ターボデータとZettaという会社のアダムスファミリーという
ソフトがありますのでご紹介しておきます。

 メインフレームとPCの性能比較事例は下記をご参照ください。

 http://www.turbo-data.co.jp/j/product/hikaku2.html

 以前公表されていたデータでは、ホストマシンで300分(5時間)かかっ
ている処理を2分間で処理したという報告データもありました。

 https://www.zetta.co.jp/adam/report.htm

 これらの類似システムをご紹介したのは、機能を限定すれば、工夫次第では、
従来のホストシステムでの常識を打ち破る技術は随所に存在すると言うことを
説明したかったからです。

 その点では、「高速機関」もこれらのシステムと類似にみえるかも知れませ
んが、「高速機関」は応用範囲の広い技術です。
 
 上記で紹介したシステムの機能は当然のことながら実現可能であり、更に応
用範囲の広いアプリケーションに適応可能な「高速化技術」を採用しています。

 http://www.kousokuya.co.jp/index.html 

 「高速機関」は、単に、RDBの高速化技術に限定されることなく、データ
の変換処理、データの高速ソート処理、大量のテキストデータベースからの全
文検索機能等と応用範囲の広い基本技術を使っています。

 「高速機関」は、RDBやDWHの応用分野に限らず、幅広く利用できる技
術基盤であるということをご理解いただきたいと思います。

■「高速機関」の高速化の原理

 それでは、いよいよ核心の「高速機関」はなぜ速いのかという疑問への解答
です。

 まず、基本的には、コンピュータのベーシックな原理である「バイナリー演
算技術」がベースのシステムとなっています。

 例えば、都道府県データを処理する場合を考えてみてください。

 都道府県は47種類です。東京都、神奈川県、北海道等と、このままでコン
ピュータ一データとして処理することも可能です。
 このままですと漢字コードは一文字2バイト必要ですので、最長の4文字の
神奈川県にデータエリアを設定すれば、8バイト、即ち、64ビットのエリア
が必要となります。

 しかし、一般的には数値でコード化します。この場合は10進数で二桁のコ
ードを割り当てます。10進の二桁のコードでは、「00から99」の100
種類ですが、実際に使っているのは半分の47種類です。残りの部分は使われ
ていません。
 この10進数の二桁は、文字データでは2バイト即ち16ビットで処理され
ます。
 これが、一般的なコンピュータでの処理方法です。

 電話番号でもxxxx-xx-xxxx、郵便番号もxxx-xxxxとい
うコード体系となっていますが、実際にはすべてのコードが埋まっているわけ
ではなく、スケスケの状態と言うことになります。

 このことに着目したのが「高速機関」の技術です。これらのコードをすべて、
バイナリーテーブルに変換する技術がベースになっています。

 バイナリーに変換することにより、データの表現すべきビット数が少なくな
ります。
 
 もう少し詳しく説明しますと、計算機の基本単位はビットという単位で処理
されています。1ビットは、「0か1」で表現されます。従って、上記の都道
府県の事例では、1ビットで2種類、2ビットで4種類、3ビットでの8種類、
4ビットで16種類、5ビットで32種類、6ビットで64種類の表現が可能
です。都道府県数は47種類ですので、6ビットあれば十分識別可能と言うこ
とになります。

 10進数の文字コード二桁の16ビットは6ビットに圧縮が可能と言うこと
になります。この原理を使うことによりデータの圧縮が可能となるのです。

 大規模なデータベースでは、そのデータベースのデータの中味によりますが、
このバイナリーコード化の技術によりデータベースのボリュームが数分の1か
ら数十分の1に圧縮が可能となります。

 更に都合のよいことに、計算機の内部処理はすべてこのバイナリーコードで
処理した方が高速処理可能というメリットもでてきます。

 人間の目に触れる場合には、このバイナリーデータを元に戻せばよいのです。

 内部処理は、バイナリーでもなんら問題はないのです。

 話が細かくなりすぎたかも知れませんが、「高速機関」の内部処理はこのバ
イナリーデータを基本にしています。

 勿論、高速処理を実現する技術は、「バイナリー化技術」だけではありませ
ん。

 数々の高速化のための技術と知恵が組み込まれています。

 具体的な技術に関していくつかをご紹介します。

 ここからは、計算機の基本原理にかかわる事項に触れますので、分かりにく
い方はスキップしていただいても結構ですが、極力分かりやすく説明してみま
す。

☆1.キャッシュメモリーをワークエリアとしている。

 コンピュータのメモリーは、CPUの処理速度を発揮できる順番として、キ
ャッシュメモリー、メインメモリー、ハードディスクのキャッシュ、ハードデ
ィスクの磁気エリアという階層構造になっています。

 「高速機関」はこの「キャッシュメモリー」をワークエリアとして有効に活
用できる技術を採用しています。これによりCPUの能力を十分に活用できる
ようになっています。

☆2.使用頻度の高いデータをキャッシュメモリーに置くことにより、メイン
メモリーとキャッシュメモリー間のロール・イン/アウトの時間を最少化する
方法も採用しています。

☆3.テーブルのアクセス方法に関しては、サーチ方式によるインデックス方
式ではなく、演算方式によるポインター技術を採用することにより、インデッ
クス処理の負荷を大幅に軽減させています。

☆4.データベースは、完全正規化されたデータ構造を採用しており、データ
項目の一つ一つをポインターで表現する技術を採用しています。

☆5.ディスクのデータ・アクセスに関しては、ランダムアクセス方式ではな
く、全てシークェンシャル処理をベースにしており、ハードディスクの性能を
最大限に発揮させるための工夫が組み込まれています。

 この技術を組み込むことにより、データベースのロードとアンロードの時間
を短縮することが可能となっているのです。

☆6.更に、ハードデスクとのロードとアンロードを高速化するため、複数
台ハードディスクにデータを分割収納することによる並行処理可能なアクセス
方法を利用しています。

 それ以外にもいくつかの技術を採用することにより、「高速機関」の高速化
処理を支えているのです。

 これだけの説明で、ご理解いただける方は少ないかと思います。

 コンピュータの動作のメカニズム原理を理解した上で、ハードの性能を十分
に引き出すための技術を随所に盛り込んだ技術基盤が「高速機関」に含まれて
いると言うことをご理解いただければと思います。

 「ウインテル」というパソコンに使われている既存の標準製品を使いながら、
処理のネックとなる部分を徹底的に排除していくことにより高速処理を実現し
ているのです。

 既存の大手ベンダーの技術者には発想できないノウハウが随所に盛り込まれ
ています。
 大手ベンダーがこれらの技術を採用すれば、既存のハードやソフトの売上げ
を大幅に減少させることになりかねません。

 従来の延長線上に構築された技術基盤を崩壊させてしまうことになり、収益
的に大打撃を受けることになりかねません。組織として許容される技術として
は認知されないと言うのは当然のことかも知れません。「高速機関」の技術が
大手ベンダーに簡単には受け入れられない理由がここにあります。

 しかし、時代は大きく変化しようとしています、ICタグ等のアプリケーシ
ョンが普及されるようになれば、従来のコンピュータ処理能力を大幅に超える
処理能力を安価な価格で提供することを要求されることになります。

 このような新規アプリケーション分野での利用では、「高速機関」の技術が
見直されることになるものと思います。

 大いに期待したいものです。

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■高速維新について

 今回は、「高速機関」を使った、IT革新のコンセプトである「高速維新」
について、より具体的に説明していきます。

■「高速維新」とはなにか?

概要は http://www.kousokuya.co.jp/index.html もご参照ください。

 「高速維新」とは、聞きなれない言葉かも知れませんが、一言で言うと高速
データ処理エンジンである「高速機関」を使用した、高いパフォーマンスで、
設計の見通しがよく、企業の要請に迅速かつ的確に対応できるソリューション
です。

 言うまでもなく、IT (情報技術)、及び情報システムは既に企業や国家の活
動になくてはならないものになっています。しかし、既存の情報システムは誰
も全体を理解できないレベルにまで複雑化し、システム障害がマスコミにも事
件として大々的に掲載されるような時代となり、システム運営に重大な障害を
起こす事例も数多くみられるようになってきました。

 システムの信頼性に関しての社会的な関心が高まっていますのでミスやトラ
ブルに対して神経質になるのは当然のこととは思います。。
 しかし、そのために、システム開発部門やシステム運用部門は、新たな技術
に関しては、ますます、保守的になりつつあります。困ったものです。

 コンピュータによる情報システムは、開発当初は比較的わかりやすく作られ
ているシステムでも、業務の変更・追加、組織の変化などを経るうちにつぎは
ぎだらけになっていきます。

 複雑な情報システムは年限を増していくと、だんだんメンテナンスが困難に
なり、新たなビジネスを行うに際しても稼働中の既存の情報システムがネック
となって思ったとおりにビジネスのサポートができなかったりする事例が多々
発生しています。

 開発当初はシステムライフを10年程度に設定する場合が多いのですが、現
実問題としては、簡単にシステム更改することができずに、20年以上も前の
システムが温存されている事例は数多く存在します。

 でも、それはなぜでしょうか?

 どうしようもないのでしょうか?

 その原因は現在の情報システムが十分高速、かつフレキシブルにデータを処
理できていないからだと考えられます。

 従来のコンピュータシステムの構築技術は、能力不足のコンピューターパワ
ーから如何に実務・実用に耐えられるだけの処理能力を引き出すかに向けられ
てきました。
 この処理能力アップのためのテクニックがシステムの構造の複雑化に拍車を
かけている要因のひとつと言えます。

 技術進歩により、CPU (中央演算処理装置)の速度が速くなっても、メモリの
アクセススピードやハードディスクのアクセススピードが速くなっても、ソフ
トウェア利用技術がそれらを十分に使いこなしていないため、コンピュータは
考えているほど高速にデータを処理できていないのです。

 高速にデータを処理できないため、プログラマはいろいろなテクニックを駆
使して情報システムを作り上げてきました。

 個々のテクニックは、部分に対しては速度を上げる「良い」ことなのですが、
情報システムの全体には複雑さを増加させるという意味で悪い影響を及ぼして
しまいました。

 これらの積み重ねが年月を経過した後に「誰にもわからないシステム」、「
つぎはぎダラケのシステム」となってきてしまっているのです。

 このような状況に対し、「高速維新」の考え方は「新しい高速データ処理」
により、市場変化に対応できるソリューションを提供してくれます。

 また、これまでのレガシー情報システムをも様々な形で変化のスピードの速
さに追従できる現代にマッチした「新式の情報システム」に移植することも可
能となります。

 「高速維新」とは、まったく新しい形のシステムソリューションなのです。

 具体的に、どんなメリットがあるのか?概要をご紹介いたします。

■開発・運用コストの大幅なコストダウを実現可能なソリューションです。

新しい製品・サービスが、「情報システムの対応に時間がかかり導入に1年
以上も必要だった」、だとか「長年情報システムに投資してきたが、それによ
る利益が良く見えない」ということはないでしょうか。

 情報システムが複雑化すればするほど、維持運用するだけでもコストがかか
ってきます。

 さらに新規のサービスを導入するといった場合には、既存のシステムへの影
響がわからなくなっているため、別のシステムを構築して結合するというよう
なつぎはぎの方法論をとらざるを得なくなる場合が非常に多くなっています。

 また、大きなトランザクションを扱うシステムの場合は、トランザクション
処理を優先してシステム構築する結果、付随して発生する夜間バッチ処理にし
わ寄せがいくという事態も多く発生しています。

 このような無手勝流システム構築の方法を進めていくと、情報システム自体
の硬直化が進んでしまいます。

 当初は業務に合わせて作られた情報システムが、業務の変化に対応しきれな
くなり、経営改革を妨げる結果となってしまっているのです。

 そして、最終的には日々変化していく環境に耐えられず、システム障害や経
営改革の遅れとなってビジネスに跳ね返ってくるのです。

「高速維新」は市場変化に追従できる、企業の特長を活かしたシステムを提
供することにより、企業の業務改革、経営課題解決をサポートするソリューシ
ョンです。



【現状の情報システムにはいくつかの問題点が指摘されています】

■汎用コンピュータ等によるレガシーシステムの場合

・技術共有できない複雑すぎるシステム、内部の理解が困難
・2007年問題と言われるようにベテランの退職でメンテができない
・コボルベースのため若手技術者が面手をやりたがらない
・データ量の増大により、ますますシステムが複雑化
・最新のオープン技術が享受できない

■パッケージソフト(ERP、SCMなど)導入の場合

・特長が活かせず差別化が困難
・業務をパッケージに合わせることを強制される
・標準機能を修正しすぎるとメンテナンスが複雑になってしまう
・市場の変化に追いついていけない

■既存の情報システムであっても、月次処理が間に合わない、
 夜間バッチ処理を速くしたいといった要望の場合

・月次バッチ処理が一夜で完了できない
・RDBのバッチ処理方式にネックが生じている
・中間ファイルがあたこちに存在し、システムフローが複雑化している
・データ量が膨大化、バックアップやメンテナンスなどのシステム運用が大変


 以上のような問題点の解決策はあるのでしょうか?

■「高速機関」によるソリューション

「高速機関」は、まったく新しい高速化データ処理の概念に基づいた独創的な
ハードウェア・ソフトウェアによる高速データ処理エンジンです。

 高速機関によるRDBでは、従来のRDBにとって弱点とされていたテーブルの結
合コストをゼロにし、データベースシステム全体をシンプルなものにします。

■主な特長は以下のとおりです。

・世界標準仕様のSQL-92及びSQL-99に準拠
・完全正規化指向によりデータベースの設計が容易
・高級プロシージャ言語のサポート
・高速主メモリ常駐モードのサポート
・巨大データのローディングスピードが高速
・データベースのサイズが小さい
・低コストマシンで大量のデータ検索集計処理を高速に処理可能
・ODBC及びJDBCインターフェースサポート

 
■高速機関の導入で以下の効果が期待できます。
(定量的な部分に関しては、「高速屋」までお問い合わせください。)
 http://www.kousokuya.co.jp/index.html

・プログラムステップ数が少ないコンパクトなシステム
・正規化指向のためにデータ管理が容易
・データベースのエンハンスメントが容易
・高度な問い合わせに対しても応答が速い
・バッチレス化により運用時メンテナンスが容易
・高速処理により、バックアップ、障害復帰時間短縮
・システムの単純化により高信頼性の確保が容易

 
 「高速機関」を使用したシステムの構築は、開発スタイルにも革新をもたら
します。

 ソフトウェア理論に基づいた論理的な新開発手法をとることにより、迅速か
つ質の高いシステムインテグレーションが可能になります。

 コンピュータのハードウェアは半導体の高集積化に伴い進歩していますが、
ソフトウェアは基本的には20年前から進歩していませんでした。

 このままでは、ソフトウェア技術の停滞がハードウェアの進歩を阻害する要
因となってしまいます。

 高速機関のベースとなる技術は、現代のハードウェア技術のパフォーマンス
を最高レベルで引き出す新しい思想に基づき作られています。
 従って、既存のコンピュータ利用技術と異なるテクニックを随所に取り入れ
ています。
 
■「高速機関」は、「データ処理と保存の全てをまかなう知能付き記憶システ
ム」です。

・ストアドプロシージャによる高速処理
・複数のネットワークを介して他システムと接続(Row Stream Interface)
・他のRDBソフト等はサーバには不要
・高い信頼性の確保
 

■「高速機関」は3種類のモードで稼動します。

 データベースをディスとメモリーのどこに常駐させるかによります。

☆モード0【すべてをオンメモリー常駐で処理するモード】
・OLTP/DSS(多重クライアント/リアルタイム処理)向け

☆モード1【アクセス頻度の高いものだけをオンメモリー処理するモード】
・低コスト DSS向け

☆モード2【すべてをディス上で処理するモード】
・実際には 使用することはないモードでしょう。

■以上のように「高速維新」で従来の情報システムは大幅な革新を可能とする
ソリューションです。

 IT業界に新風を吹き込む技術基盤です。

 抽象的な説明と宣伝ぽい説明が多く、分かりにくかったかも知れません。

 若干専門的な記述の部分もあり判りにくかったかも知れません。

 しかし、現状の「情報システム」には解決すべき課題が多くて、現状打破の
技術を必要としていることはご理解いただけたかと思います。

 一方、技術が革新的であってもこの技術が世の中に浸透するには乗り越えな
ければならない障壁が数多く存在します。

 システムが大規模化し、ガリバー型企業が支配しているIT業界は既得権益
を守るために業界全体が保守的になっています。

 新参技術に関しての障壁は高く、大きなものです。

 簡単には、この壁は乗り越えられません。

 徐々に、ユーザー実績を積み重ねていくより方法はないようです。

 マイクロソフト社もオラクル社も当初はガレージからスタートとして現在の
地位を確保しました。

 発足当初の両社の前には、数多くのガリバー型の企業が存在しました。

 これらのガリバー型企業と提携、競合しながら現在の地位を気づき上げたの
です。

 この「高速維新」のソリューションもいづれは大きく飛躍できるものと期待
しています。

 読者の皆さんでご興味のある方は、是非とも具体的なソリューションとして
ご検討いただきたいと思います。

 ところで、次回は、この「高速機関」が従来技術とどこがどのように異なる
かについての簡単な説明をしたいと思います。

 また、具体的なベンチマークの一端についてもご説明したいと思います。

 このノウハウは特許に値する技術ですので、すべてをオープンにできないの
ですが、簡単な基礎的な原理だけをご紹介したいと思います。

 ご期待ください。

【次回につづく】

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■「高速機関」という技術に関して

■高速機関のご紹介

 今回から何回かに分けて、「高速機関」というIT業界に新風を吹き込む新
技術に関して、ご紹介したいと思います。

 IT業界は、IBM社と「ウインテル」と呼ばれる、インテル社とマイクロ
ソフト社のガリバー型の企業が支配する世界です。このガリバーを中心とする
グループの開発技術基盤に対して、「大きな風車に立ち向かうドンキホーテ」
的な技術として登場したのが「高速機関」という全く新たなIT利用技術です。

 そこで、この「高速機関」に関して概要をご紹介したいと思います。

■コンピュータ技術発展の概観

「高速機関」の説明の前に、コンピュータ技術発展の歴史を簡単に振り返って
みたいと思います。

 コンピュータは、1940年代の第一世代のコンピュータから、第二世代、
第三世代、第四世代、第五世代へと大きく伸展してきました。そういう意味で
は、現在のコンピュータは第六世代のコンピュータの時代に突入していると言
ってもよいのかも知れません。

コンピュータが伸展するに従い、コストパフォーマンスは向上するものの基本
的な利用技術は進歩していないように思います。

 開発生産性を高めるという目的のために折角技術革新により発展してきたコ
ンピュータ資源を浪費しているという見方も成り立ちます。1960年代の
第三世代のコンピュータでもメモリー容量は少なく、ディスクファイルも
高価なものでした。従ってデータはバイナリーで表現し、使用言語もアセンブ
ラー言語を使っていました。

 それが、1970年代にの第四世代に仮想メモリーを利用できるようになり、
コードは10進コードやキャラクターコードに、そして、プログラム言語はア
センブラーからコボル等の高級言語での開発と変化していきました。

 また、データベースもランダムアクセスから階層型データベースに、更には
リレーショナルデータベース利用と変化してきました。

 多くの開発支援ソフトにより、システム開発は飛躍的に簡単になってきまし
た。素人でも簡単に開発できる数多くのツールが開発され利用されてきていま
す。

 ハードは高性能化し、コストパフォーマンスも向上してきたので、CPUの
処理スピード、メモリー容量、ディスク容量を贅沢に利用するシステムが一般
化してきたのです。

 コンピュータ資源を気にすることなく無駄使いしても余り大きな問題になら
ないという風潮がIT業界に蔓延してしまいました。

 素人でもシステム開発に参画できる環境を整えてきたと言うことになります。

 この結果として、汎用コンピュータシステムによるシステムは、システムが
肥大化、複雑化し、システムパフォーマンスの悪いシステムが多く開発される
ようになってしまいました。

 ブログラム構造も同一機能のモジュールがあちこちでコピーされ一部手直し
され新たなモジュールとして機能するという機能の重複するモジュールが多く
存在し、システム構造が複雑化していくということになってしまいました。結
果として、システムの肥大化とスパゲッティー化といわれるモジュール同士が
絡み合った複雑な雑然としたシステムを稼動させる結果となってしまっていま
す。

 即ち、メンテナビリティーの悪い、パフォーマンスの悪いシステムがハード
の進歩の陰で横行する時代となってしまったのです。

 一方、汎用コンピュータの肥大化に対抗して、一時期は、ミニコンやオフィ
スコンピュータ等のシステムが盛んに活用されることになりました。

 しかし、いづれもハードに依存する仕様となっており、専用のOSや専用の
言語によるシステムでの開発がブームとなった時代もありました。しかしなが
ら、拡張性の問題、システムの移植性の問題があり、オープン系のシステムへ
の移行の方向に時代は移り変わってしまったのです。そして、ユニックス時代
がオープン系システムとして普及するようになったのです。更に、最近では、
このユニックスですら、インテルプロセッサーで稼動する「LINUX」とい
うOSにとって替わられようとしています。

 汎用コンピュータからダウンサイズシステムが普及していく、その一方で、
1980年代からパソコンが急激に普及し始めました。

 パソコンはパーソナルコンピュータと言われるように、最初は個人の趣味や
個人用の情報管理を目的とするコンピュータが開発され個人の家庭でもコンピ
ュータパワーを活用できるようになってきたのです。

 当初は、このパソコンもメーカーによりOSが異なっていましたが、インテ
ル社製のマイクロプロセッサーとマイクロソフト社の開発した、MS-DOS、
そして、WindowsをIBMを初めとして、日本製のパソコンメーカーも
利用するようになり、このインテルとウインドウズの合成語である「ウインテ
ル」仕様のパーソナルコンピュータがマーケットを支配するようになってしま
いました。

 さらに、このパーソナルコンピュータは、企業内の情報システムにも利活用
されるようになり、ビジネス用にも利活用されるようになり、ますますパワー
アップしてきています。このパソコンの能力は、第一世代から第四世代の汎用
コンピュータの能力を遥かに超える能力を備えるまでになっています。

 そして、インターネットとブロードバンド等のネットワーク技術により、ま
すます、パソコンベースのパワーは強力なものに発展してきました。

 ハードとソフト面では、飛躍的な発展を遂げたのが現在の「ウインテル」を
中心とするIT技術です。これからも、ハード・ソフト両面での発展はまだま
だ続くことになるものと思います。

 このように技術的には飛躍的に発展した「ウインテル」システムですが、汎
用システム、ユニックスシステム、「ウインテル」のどのシステムを利用する
にしても、基本的なアプリケーション開発技術は従来の開発手法を踏襲してい
ると言うことに問題があります。ハードの能力を十分に引き出していないと言
うことです。

 これらの利用技術上の問題を新たな発想で利活用できないかと言う原点に立
脚して開発された技術が今回ご紹介する「高速機関」という「高速処理技術」
です。

 実際のアプリケーション事例において、オラクルのRDB(リレーショナル
データベース)とのベンチマークでも100倍以上のハイパフォーマンスを実
現しており、ソーティング技術でも世界最速の処理能力を発揮することも可能
な技術なのです。

 従来の汎用コンピュータやユニックスコンピューターパワーをインテルマシ
ンを利用してそっくり代替することも可能なIT基盤技術なのです。

 この技術を開発したのは、日本人の新庄さんという個人です。

 この新庄さんが開発したシステムを販売する会社が「高速屋」という一風変
わった名前の会社です。

 会社概要に関しては、
  http://www.kousokuya.co.jp/index.html をご参照ください。

 この「高速機関」技術を利用して、IT業界に新風を吹き込もうと言う思い
が「高速維新」という概念です。

 これから何回かに分けて、この「高速機関」をトピックスとして解説してい
きたいと思います。

【次回につづく】

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■アカウントアグリケーションについて

■今回はアカウントアグリケーションサービスに関して

 銀行の預金・ローン取引や証券会社との取引状況、クレジットカードの利用状況等
 をインターネットを利用して照会できるようになり大変便利になりました。

 しかしながら、複数の銀行に口座がある場合や複数の証券会社と取引がある場合や
 複数枚のクレジットカードをもっている場合には、個別の銀行、個別の証券会社、
 個別のクレジットカード会社にいちいちログインしなければなりません。
 複数社と取引のある場合には、結構面倒なオペレーションが必要となります。
 こんなときに便利なサービスがアカウントアグリケーションサービスです。

■アカウントアグリゲーションサービスとは

 アカウントアグリケーションサービスとは、複数の金融機関(銀行、証券、
 クレジットカードetc)の口座情報を1つのWEB画面上に統合して表示する
 サービスです。
 ビジュアルな表やグラフによって、お客様ご自身の資産内容を一覧表示でき
 ますので、今後の資産形成のご計画や分析にも大変役に立ちます。

■このサービスに加入するためには、個別の機関とのインターネットサービス
 契約を締結しておく必要があります。
 この契約がある機関とサービス対象となっている機関を予め登録しておいて、
 ID番号と暗証番号も登録しておけば登録先の情報を一括でアクセスすること
 が可能となります。

 このサービスは米国の銀行では、お客様の囲い込みサービスとして発達した
 ものですが、日本の銀行でこのサービスを提供している銀行は現時点では、
 多くはありません。
 むしろ、証券会社がサービスとして提供している事例が多いように思われます。

 これからのインターネットのサービスの拡張機能として提供されるものと
 思われます。

 銀行のサービスは数少ないのですが、日本では、このサービスはYahoo!や
 goo等のインターネットサービス会社もこのアカウントアグリゲーション
 サービスを提供しています。

 インターネットの検索エンジン等で探してみてください。

 いろいろと見つかるはずです。

 現時点では、対象とする銀行の数や対象の証券会社数、対象とするクレジット
 カード会社数は限られておりすべての金融機関が対象となっているわけでは
 ありません。

 対象となる金融機関に関しては、順次拡大されつつありますが、自分の取引先
 の金融機関が対象となっているかどうかを確認する必要があります。

 大切なID番号と暗証番号をすべて登録するのですから信用のある
 「個人情報保護」システムが万全な会社を選択する必要があるのは当然の
 ことです。

 いろいろな金融機関を串刺しにするサービスは今後のアプリケーションの
 ひとつであり、銀行の個人顧客(法人についても同様)の囲い込み戦略の
 一環として徐々に普及 してくるものと思われます。

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■カードバンキングについて

■今回はCB(カードバンキング)について説明します。

 前回と前々回と今回はEB(エレクトロニクスバンキング)について書いています。

 日本のエレクトロニックバンキングは、

  「EB=FB+HB+CB」  という構図で推進してきました。
 
 法人向けサービスであるFB、個人向けサービスであるHB、そして、両者を対象に
 したCBという構図です。

■CBと言う言葉は余り普及していない言葉ですが、銀行の個人戦略の一環
 として重視され、各種のカード戦略を展開してきました。

 キャッシュカードに付加価値を付けるという意味で、提携タイプのICカードの発行
 もCB戦略の一環です。

 企業と提携することにより、社員証と銀行のキャッシュカードを一体化した
 ICカードを発行することにより、大企業や中堅企業の従業員の囲い込み戦略を
 狙った戦略です。
 提携先の企業は親密取引先である必要があり、法人取引深耕の一環ともなります。

 ところで、銀行の個人戦略には、マーケットセグメント別の戦略があります。

 個人マーケット別の戦略としては、大きく分類すれば、富裕層戦略、職域戦略、
 マスマーケット戦略と大きく3分類となります。
 実際には、更にこの分類を細分化するわけですが、ここでは大分類だけにとどめて
 おきます。

 この各々のマーケット戦略とカード戦略とが連動しています。

 CB戦略は、主に職域戦略が中心となります。

 社員証とキャッシュカードの一体化したカードを共同発行することにより、従業員の
 預金口座を確保することが可能になります。

 従業員の給与振込口座を確保することにより、この取引をベースとして、従業員向け
 の各種のサービスを開発して提供することが可能となるのです。

 一方、企業の方は、カード発行負担が軽減されると同時に、従業員にとっては、
 社員食堂や社員用のショップの買い物の決済用にこのカードを使うことが可能な
 システムを利用することにより、利便性の高いサービスを享受することが可能と
 なります。

 社員証とキャッシュカードを一体化させることにより、新入社員の取引を確保する
 ことが可能であり、会社を退職するまでの間、この取引をベースに各種の戦略の
 展開が可能となるのです。

 ライフステージに合わせて、資産運用サービスの囲い込みが可能となるのです。
 具体的には、
 月々の給与天引預金による積立預金の確保から、結婚式や教育資金のローン取引、
 住宅ローンの取引、退職時の退職金の確保とライフステージに応じたバンキング
 サービスを提供することが可能となるからです。

■CB戦略には、別の方向の展開戦略もあります。
 クレジットカードとキャッシュカードとの統合ICカードの発行戦略です。

 銀行のお客様の情報収集力は、一部のお客様を除いて弱体なのです。
 預金口座を新規に開設するときに得られる情報も最低限の基本情報です。
 最近は、マネーロンダリングの関係で、新約時の本人確認義務が法律でも
 義務付けられており、本人確認できる公的に証明するものにより本人確認を
 行う必要があります。このときに得られる情報により正確な情報が入手できる
 ようにはなっていますが、それでも限定的な情報しか収集できません。

 その後、転居や就職先が変わっても預金だけの取引の場合には、情報の更新は
 行われないケースが圧倒的に多いのです。
 従って、ローンの取引を勧誘したり、銀行自身の発行するクレジットカードにより、
 より突っ込んだ「個人情報」の収集が可能となるのです。
 またこれにより、「個人情報」の更新も可能になるのです。

 この新鮮で、精度の高い「個人情報」をベースに、各種のマーケティング戦略を
 展開することが可能となります。

 コンピュータのデータ処理の世界に「GIGO」という言葉があります。
 「ギャベッジイン・ギャベッジアウト」の頭文字をとった言葉です。

 「つまらない不正確なデータ」はどのように高度のコンピュータ技術を駆使しても
 「つまらない役立たずのアウトプット」しか得られないというのは自明の理です。

 従って、銀行の「個人マーケティング情報システム」にとっては、精度の高い個人
 情報収集方法と新鮮な更新された情報をいかに入手するかが課題となります。

 このための方法が、各種のCB戦略ということなのです。

 最近では、銀行の窓口で、投資信託や保険商品の斡旋販売が可能になっています。
 また、証券会社への取次ぎ業務も可能になっています。
 いわゆる「金融商品に関してのワンストップサービス」の提供です。
 銀行窓口で「総合的な金融サービス」を提供することにより手数料収入を増加させる
 戦略の一環です。

 このワンストップ戦略の「潜在マーケット」を掘り起こすためにも「個人情報
 データベース」の構築は不可欠です。 

 これからも、銀行は「新鮮で・精度の高い個人情報」をベースにした、
 個人マーケット戦略を強化していくことになります。

 しかしながら、この反面で「個人情報の漏洩問題」が大きな課題となっています。
 2005年の4月から「個人情報保護法」が施行され、「個人情報」の保護に関して
 より強固な対応を必要としています。

 「個人情報の精度の高い情報収集活動」と「個人情報の保護」とは一対のものです。

 銀行のキャッシュカードはICカード化する基本方針が決定されています。
 せっかくICカード化するわけですから、このICカードを多機能化することが
 今後の銀行のCB戦略の展開ということになります。

 銀行のCB戦略も新たな展開を求められているということです。

 これからどんな新戦略があらわれるか楽しみです・・・・・・。

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■ホームバンキングサービスについて

■前回はエレクトロニックバンキングの法人向けのサービスである
 FB(ファームバンキング)について説明しました。
 前回述べなかったかも知れませんが、このFBは和製英語です。

 今回は一般個人の家庭向けのサービスとしてHB(ホームバンキング)について
 説明したいと思います。

■コンピュータと通信回線を使って、家庭から銀行などの金融機関のサービスを
 利用することがホームバンキングサービスであり、エレクトロニックバンキング
 の形態の一つです。
 具体的なサービスの内容としては、「預金の残高照会」、「入出金照会」、
 「口座振り込み」、「口座間の振り替え」などのサービスを利用することが
 できます。
 当初は、電話回線に専用の端末をつないで利用する方法やパソコンに専用のソフト
 を組み込んで、パソコン通信のような形態で利用するサービスです。
 端末としては、その時代時代を反映しており、ファミコンやMSXパソコン等を
 利用していました。
 キャプテンというビデオテックス技術を利用したこともありました。
 パソコンになってからも、8ビット、16ビットパソコン、MS-DOSからWINDOWSへ
 と対応していました。

 手数料が窓口よりも安く、支店に出向かずにサービスを利用できるのがメリット
 ということで、個人マーケットを対象にセールス活動を行いましたが、爆発的な
 普及ということにはなりませんでした。
 普及以前に技術が陳腐化していったからです。

 ATM等がコンビニに配置されたことやインターネットの普及でより手軽な
 インターネットバンキングへの乗り換えが進んだことにより、結果としては
 あまり普及しませんでした。

■パソコンのインターネットエクスプローラーやネットスケープ等のインターネット
 へのアクセスに「ブラウザー」を利用する方法の方が簡単だったからです。
 また、パソコンに専用のソフトを導入するとOSのレベルアップやアプリケーション
 のレベルアップのたびごとにPCの専用のソフトを入れ替える必要があり、 
 アフターフォローが大変だったのです。

 これが、インターネットのブラウザーを利用することにより、センター側のソフト
 だけを修正すればよく、メンテナンスの負荷が大幅に軽減されたました。
 インターネットを活用することにより、ホームバンキングは飛躍的に普及すること
 になったのです。

■具体的なインターネットバンキングのアプリケーションについて事例を紹介します。
 銀行により、サービスの内容には若干の違いがあります。
 現在では、パソコンだけでなく、携帯電話のブラウザー機能を利用する
 モバイルバンキングも開発され、簡単にバンキングサービスを享受することが可能に
 なっています。 

■【事例】みずほ銀行のインターネットバンキング
 みずほ銀行のインターネットバンキングには、「宝くじ」の販売という他の金融機関
 では取扱できないサービスもあり、なかなか便利な機能を備えています。

 具体的なサービスの内容を以下に列挙してみます。

 1.残高照会・入出金明細照会
  預金口座の現在残高や、現時点までの入出金の明細が照会できます。 
 2.お振込。お振替
 予め登録した口座からのお振込や、登録しておいた利用口座間の振替ができます。
 3.定期預金・積立預金
 定期預金の預け入れ、満期日解約予約、積立定期預金への随時預け入れなどが
 できます。
 4.外貨預金
 外貨定期預金・外貨普通預金の口座開設や預け入れなどができます。
 5.投資信託
 投資信託の購入・解約のほか預り明細や取引履歴の照会などができます。 
 6.Pay-easy(ペイジー)による税金・料金払い込みサービス
 ペイジーマークが記載されている払込書などの料金をいつでも払い込みできます。 
 7.公共料金口座振替
 電話(NTT)・電気・ガス・水道・NHKの料金等の口座振替の申し込みができます。 
 8.Yahoo!ウォレット口座振替
 Yahoo!ウォレットの口座振替の申し込みができます。 
 9.各種ローン
 カードローンの借入・返済・仮申込、無担保ローンの仮申込、住宅ローン借入相談
 ができます。 
 10.ネット振込決済サービス
 みずほ銀行と提携している加盟店サイトでのサービス・商品代金等を支払うこと
 ができます。 
 11.スーパーデビット
 株式などの購入代金を、注文と同時にお客さまの口座から引き落として、加盟店
 に即時入金するサービスです。 
 12.宝くじサービス
 ジャンボ宝くじなど全国自治宝くじと、お届けの住所の都道府県で発売される
 ブロックくじが購入できます。 
 13.住所変更
 ホームページにて住所変更届の請求ができます。 
 14.みずほマイレージクラブ
 「みずほマイレージクラブ」のマイレージポイント照会ができます。 

 以上が「みずほ銀行」のインターネットバンキングの具体的なサービスの内容
 です。

■インターネットの普及、コンビニATMの普及により、銀行のサービスは大きく
 変化してきました。
 一昔前の銀行店舗で給与振込口座から単純な現金の支払をするために長々と待つ
 必要は少なくなりました。
 技術の進歩によりバンキングサービスも大きく変化してきたものです。

 今回はここまでにします。

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■エレクトロニック・バンキング・サービスについて

■エレクトロニック・バンキング・サービス

 銀行は、営業店での銀行サービスの提供だけでなく情報通信回線を利用した
 銀行のコンピュータを活用した各種のサービスを提供しています。

 最近はインターネットを利用したインターネットバンキングサービスや携帯電話を
 利用したモバイルバンキング等が一般化しつつあります。
 これらは、インターネット技術が普及してくることにより開始されたサービス
 ですが、インターネット普及以前にも各種の情報通信ネットワークを利用した
 サービスを開発し、お客様に提供してきました。

 これらを総称してEB(エレクトロニック・バンキング・サービス)と略称して
 います。
 今回からは、銀行がお客様向けにネットワーク分野でどのようなサービスを
 行ってきたかを振り返ってみたいと思います。
 
■先ず、EBの分野として、日本では、FB、HB、CBという三分野のサービス
 を開発してきました。

 FBとはファーム・バンキングの略称で、企業向けのサービスの分野のことです。
 HBとはホーム・バンキングの略称で一般家庭(個人)向けのサービス分野です。
 更に、CBとはカード・バンキングの略称で、ICカード等の活用分野のことです。

■そこで、先ず、企業向けのサービスであるFBから解説していきたいと思います。

 このFBは、企業のコンピュータと銀行のコンピュータを情報通信回線を介して
 接続することにより、企業と銀行相互の事務の合理化や各種の情報を交換する
 チャネルとして利用するものです。
 このFBにより、取引先との深耕と企業取引の囲い込みを追及するサービスです。
 
■FBサービスの概要

 企業と銀行の接続形態と情報通信回線は時代により変化し、企業の規模により
 いろいろと変化してきました。
 
 一番初歩的な段階の端末としては、プッシュホン電話であり、ファクシミリ端末
 であり、データテレホンへと伸展してきました。
 そして、ファミコンの通信機能を使ったもの、パソコンを利用したもの、
 大企業向けには、コンピュータとコンピュータを直接接続する方式まであります。

 情報通信回線も公衆電話回線網からDDX(デジタルデータ交換網)、そして
 最近では、高速のADSLや光通信網を利用したインターネットを利用した
 システムへと発展してきています。

 銀行はお客様へのサービス向上のために、常に最新技術を取り入れてきました。
 今後もこの努力は続けられることでしょう。

■全銀プロトコールの制定

 インターネット接続以前には、全銀プロトコールという銀行業界の標準通信手順を
 決めて、この全銀方式でパソコンやコンピュータとの通信を行っていました。

 また、パソコンに各銀行が専用のFBソフトパッケージを開発し、このソフトを
 販売すると言うことでFBサービスの普及活動を行った時代もありました。
 銀行が積極的にパソコンのパッケージソフトを販売した時代があったという
 ことです。
 このために、女性の販売部隊を組織し、販売と導入支援を行うという体制まで
 整えて各行が販売競争を行った時代です。

 現在はインターネットのブラウザーを利用することによりパソコン側に特別な
 ソフトを導入する必要はなくなりました。
 アプリケーション・ソフトもダウンロードにより提供することが可能となって
 います。
 FBの提供サービスのメンテナンス負荷も随分軽減されています。

■具体的なサービス内容

 具体的なサービスの内容ですが、大きく分類すれば三分野に分かれます。

 1)取引情報連絡サービス(レポーティング・サービス)
 2)資金移動受付サービス(マネー・トラスファー・サービス)
 3)金融経済情報サービス(インフォメーション・サービス)

 更に、詳細を列挙します。

 1)取引情報連絡サービス
   取引明細情報:入出金明細、振込明細、残高情報
   外為取引情報:輸出手形買取明細、輸出手形取立明細、輸入手形決済明細、
          仕向送金取組明細、被仕向送金支払明細
   その他取引情報:口座振替結果明細

 2)資金移動受付サービス
   資金回収データの受付(事前):口座振替データ
   資金支払いデータの受付(事前):一般振込データ、給与振込データ
   資金集中・分配管理:本支店間の口座の資金の自動付替処理
   即時資金移動処理:本支店振込処理、預金口座間振替処理

 3)金融経済情報サービス
   マネー・マーケット情報:現先レート、CDレート、コールレート、手形レート
              外貨預金レート、インパクト・ローン・レート等の情報
   為替市場情報:外為相場、円相場、インターバンク・レート等の情報
   海外市況情報:ユーロドル金利、ロンドン・ニューヨークの為替相場
          海外CP・CD相場、各国の預金・貸金金利等の情報
   公社債情報:主要債券利回り動向、公社債発行条件等の情報
   金融経済環境情報:内外主要経済指標、経済予測等
   一般情報:不動産情報、商品取引情報等
   各種利回り計算:外貨預金利回り計算、債券経過利子計算等

■FBに対する銀行戦略

 FB戦略は銀行が取引企業へ提供する提案型のソリューションビジネスの
 重要な戦略サービスとして進化してきています。
 このFBサービスの良否が銀行と企業の取引深耕に不可欠の条件の一つです。
 従って、サービスの内容に関しては、取引企業のニーズを十分に吸収すると同時に
 銀行独自の創造的なサービスを開発していくことが必要でとなります。

 銀行も選別する側から選別される時代になってきており、FBサービス開発が
 ますます、激化していくことになります。
 銀行が総合金融サービス産業として変身行く過程の一局面を示す分野ということ
 になります。

 今回はここまでといたします。

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■本部OA化推進とオフコン導入について

■本部OA化推進とオフコン導入

 今回は本部業務のオフィスオートメーション化の過程でのオフコンの導入事例
 を中心に書いてみたいと思います。

 バンキングシステムは、営業店の事務合理化や本部の情報管理システムに
 関しては、大型汎用コンピュータを使ったシステムの開発に大規模な投資を
 行っていましたが、本部の各部の事務は旧態のままの手作業での事務処理が
 多数残っていました。

 本部各部の中には機械化に無関心というか機械化に向かないということで放置
 されていた業務が多数ありました。
 そこで、これらの分野にオフコン等を利用して合理化を図ろうということに
 なりました。オフコンはパソコンが普及する以前のシステムとして一時期は
 導入ブームがありました。
 いわゆる、「分散処理」形態のシステムで、手軽にシステムが開発できると
 いうことでメーカーからの売込みが激しかった時期がありました。
 独立系のソフト会社からの事務合理化のための各種のパッケージソフトの
 売り込みも多数ありました。
 この時期に、今まで手作業で行っていた事務処理部分の合理化に着手しました。
 パソコンでは機能が不足する、汎用の大型コンピュータ処理には不向きの分野を
 機械化するための方法を模索していた時期にあたります。

 この間隙を埋めるものとして、ミニコンとかオフコンがブームになりました。
 これらを利用して、本部の事務処理の合理化を推進しようというのが、本部OA化
 推進運動でした。本部OAとは、本部業務のオフィスオートメーション化といわれる
 分野でホワイトカラーの生産性が低く、本部の事務合理化が話題になった時代背景
 がありました。この時期には、ファイリングシステムの合理化や本部業務の不効率な
 業務分野の合理化に着目したシステムが検討されました。

 この中で、ミニコンやオフコンも問題解決のツールとして導入が検討され、
 いくつかのサブシステムが開発されました。

■具体的なサブシステムアプリケーション事例としては、

  本部・営業店の什器や備品の管理台帳システム
  事務機器管理台帳システム
  営業店レイアウト図台帳管理システム
  営業店レイアウト図作成システム(CADシステムの導入)
  本部経費伝票集計管理システム
  支店の店舗台帳管理システム(支店の概要を表示するもの)
  支店業績評価管理システム
  秘書課の役員室のスケジュール管理
  会議室の予約管理システム

 これ以外にも、

  海外店事務合理化システム(IBM/S36)
  外国事務センター事務合理化システム(DEC/PDP-11)
  ディーリングルーム管理システム

  人事職歴管理システム
  人事考課策定支援システム
  人事研修履歴管理システム

  証券・株式管理システム 

  人工知能(AI)利用の個人資産運用投資管理・提案システム
  人工知能(AI)利用の路線価・土地資産評価管理・提案システム
  人工知能(AI)利用の事業継承のための株価評価・提案システム

  等々のサブシステムが開発されました。

 これらのサブシステムは、パソコンのLANシステムに移行されるか、
 汎用大型システムに組み込まれるということになりました。
 一部のミニコンやオフコンはいつの間にか新たに出現した、パソコンや
 オープン系のクライアント・サーバーシステムに置き換えられていきました。
 現在でも、多数の分散型のサブシステムがオープン系のシステムで稼動しています。

 この本部OA化運動は、機械化・合理化の対象外であった本部業務の洗い出しと
 システム化のきっかけをつくることになりました。
 この時代のシステム基盤がパソコンLANの合理化システムへの移行の事前準備
 段階であったということになります。
 
■OA化推進運動時代のテーマ

 このオフィスオートメーション時代に検討したテーマを列挙しておきます。
 これらのテーマは現在でも根本的な解決策が見つかっていない問題もあります。
 特に、「個人情報保護法」の来年4月の施行に向けて、セキュリティー対策が
 重要課題になっていますが、「電子情報」の管理だけでなく「紙ベースの情報」
 の管理体制の整備が重要です。
 「文書の管理規定」の改定と実行状況の管理はいつの時代でも重要課題です。
 情報文書が増大する中で、文書ファイルの整理整頓を基本とした「文書管理」
 の体制作りはいつの時代でもオフィス合理化のテーマとなります。

 具体的に当時検討し、解決策を模索したテーマと解決策の事例を列挙しておきます。

 文書作成システム(日本語ワードプロセッサーの大量導入)
 各種文書のファイリングシステム(機械化以前のテーマとして文書管理規定の制定)
 (文書の重要度・保存期限・新旧文書の保管入替ルール等々の文書管理基準の策定)
 (文書管理責任者の制定、文書保存規定・文書破棄ルールの策定、等々)
 (文書サイズのB版からA版への変更)
 (文書収納キャビネット、文書収納BOX、バインダーの策定、表示ラベルの策定)
 (機械化以前の問題としてファイリング用の各種文具の検討も必要でした)
 新聞記事ファイリング・検索システム(光ディスクシステムの導入)
 各種公式文書ファイリング・検索システム(光ディスクシステムの導入)
 ファクシミリネットワークシステム(全店高速ファクシミリの導入)
 各種本部業務の計数管理システム
 (パソコンによる計数管理、表計算システムの導入・普及教育)

 今回は、銀行の本部OA化の歴史の一端をご紹介しました。
 パソコンLAN・WANが普及して、合理化が進んだ一方で、ネットワークの
 セキュリティーが問題となっています。外部からのアタックや内部の利用者による
 情報の持ち出し等の「情報漏えい事件」が多発しています。
 システムには常に「裏と表」「光と影」が付きまとうものです。
 この両者のバランスを如何に保つかがシステム設計者の永遠の課題ということに
 なります。


 

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■パソコン導入顛末記

■銀行業務へのパソコン導入顛末記

 銀行の本部および営業店では、今ではパソコンは当たり前の機器になっています。
 ATM機器にも、銀行専用の金融端末にもパソコンが組み込まれています。
 本部業務や営業店でもパソコンの電子メールは当たり前のツールとなっています。
 しかし、ここまで普及するまでにはいろいろなことがありました。
 技術進歩の見極めと本部要員への情報リテラシィー教育にも苦労しました。
 パソコンの一人一台体制づくりと利用定着化までの顛末について書いてみます。

■個人的なパソコン体験史

 まず、個人的な体験史を振り返ってみたいとおもいます。
 個人的に電子機器に興味を持ち始めたのは、小学生時代にさかのぼります。
 最初は、鉄釘にコイルを巻いた電磁石をつくることから初めて、電磁石ベル、
 乾電池を乗せて電動モーターで走る模型自動車の工作等を思い出します。
 そして、鉱石ラジオの製作、トランジスターラジオ製作へと進んでいきました。
 大学時代はマシンランゲージのプログラムを組み、卒論は汎用コンピュータでの
 シミュレーションモデルの研究でした。
 会社に入ってからも汎用機によるシステムの企画・開発が中心でした。

 一方、社会人になって個人的に初めて接したのがテニスゲームの組み立てセット
 でした。秋葉原のショップで見つけて組み立てて我が家のテレビにテニスゲーム
 が表示され、そのスムーズな動きに感激したことを覚えています。
 次に、手作りマイコンキットとして4ビットのマイクロプロセッサーを組み込んだ
 組み立てキットを買い込み、徹夜でハンダゴテを片手に細かい作業で組み上げた
 ことも思い出されます。組み立て用の基盤にムカデの形に似たICの足を一点ずつ
 ハンダ付けし、電線で配線をしたことを思い出します。
 そして、次にMSXパソコンという家庭ゲーム用のをパソコンを買い込み、
 簡単なゲームソフトをBASIC言語で書いて楽しんでいたことも思い出します。
 その後は、16ビットパソコンから32ビットパソコンへ、MS-DOSから
 WINDOWSへとパソコンも最新鋭機へと何台か買い替えました。

 現時点では、自宅でも100MBの光通信可能なブロードバンド環境下でのパソコン
 LANが稼動するという環境になっています。
 本棚の片隅には今でも過去の歴史を残すマイコン・パソコン関連の本が何冊か残って
 います。

■銀行の営業店への応用

 個人的に上記のような体験を続ける中で、銀行業務への応用分野の模索を続けて
 きました。最初の取り組みは、当時の販売開始され始めたばかりの8ビットの
 カラー表示できるパソコンを数ヶ店の銀行営業店に導入することでした。
 このパソコンは相談端末のはしりで、通常の画面は自動的に広告画面を繰り返し
 表示し広報端末の機能を果たします。顧客操作キイーを押すと割り込みモードとなり
 簡単な金融計算を可能としました。ローンの金利計算、住宅ローンの返済額の計算、
 積み立て預金の計算、定期預金の利息計算等の機能を組み込みました。
 この経験も踏まえて銀行業務にもパソコンの機能を使うことをいろいろと研究
 しました。
 そして、パソコンを意識して銀行端末として本格的に導入したのがIBM5550
 という機種です。
 この端末を融資・外為オンライン用の端末に採用し全店に配置しました。
 当時としては、画期的な端末でした。通常は融資・外為のオンライン端末としての
 機能を果たしますが、オフラインで日本語ワードプロセッサー機能と表計算機能を
 備えていました。このオフライン機能での各種の使い方も行員からのアイデアを
 募集し、現場の知恵を実務展開するという方法もこの頃採用した手法でした。
 いろんな実用的なテンプレートが開発され、全店に配布されました。

■本部業務への応用とLANシステムの導入

 その後は、本部業務にパソコンの部分的な導入が始まりました。
 この頃になるとハードは16ビットパソコンから32ビットパソコンへと更改され、
 オペレィテングシステムもMS-DOSからWINDOWSに進化していました。
 そして、ローカルLANの導入の段階になります。LANのシステムに何を選択
 するかもいろいろと実験しましたが最終的にはロータス社のロータスノーツの
 システムを採用することになりました。
 当時のLANシステムとしては、機能的にも優れておりユーザビリティーもあり、
 大手企業のLANシステムの導入はロータスノーツの採用事例が多くなりました。

 現在でも金融機関のネットワークシステムの大部分がノーツになっているのは
 この初期の導入期のシステムをそのまま継続しているからです。

 電子メールやLANシステムを普及させるための苦労もありました。
 パソコンの大量導入予算の決裁とLAN/WANシステムの有効性を発揮させる
 ためにはトップも巻き込んだシステム構築が必要との認識から経営層への情報
 リテラシィー教育にも工夫が必要でした。
 インターネットの使い方から電子メールの使い方を学んでもらうための工夫が必要
 でした。役員室に電子メールを普及させるために役員室専用の女性インストラクター
 を養成し、秘書室の役員担当の秘書にもパソコン操作の教育を行いました。
 先ずは、電源の入れ方、朝一番で自社株の価格や金利情報等の金融情報システムが
 表示される仕組みをつくり、電子メールの開き方等と時間をかけ順次普及させて
 いきました。役員室発信の電子メールは秘書の代行発信でしたが社長名や役員名で
 定期的に発信する仕組みも組み込みました。これにより部課長クラスも順次
 電子メールのネットワークに組み込むことができました。
 本部要員の全員へパソコンを配置するまでには時間がかかりました。
 部長クラス、課長クラス、そして全員にパソコンをという一人一台体制へと普及
 させるためには各種の工夫が必要でした。
 
 現在のパソコンの普及状況を考えると、パソコン機能の向上と価格性能比等は正に
 隔世の感があります。

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■本部OA化に関して(続)

■本部OA化に関しての前回からの続きです。

 日本語ワードプロセッサー導入初期の苦労話の続きです。

 初期の日本語ワードプロセッサーは、文書が完成するとこの文書を保存するのに
 8インチサイズのフロッピーディスクが使われていました。
 文書が完成すると「保存」のキイーを押して文章をこの8インチフロッピーに保存
 する必要がありました。
 ところが、操作が慣れていないもので、文書を作成して、印刷が終わると安心して、
 電源を切ってしまうという失敗を何回か経験しました。
 せっかく長い時間をかけて入力した文書の保存を忘れてしまい電源を切ってしまうと
 入力した文書がすべて消えてしまうことになります。
 文書が完成していればそれでもよいのですが、修正が必要な場合には悲劇です。
 最初から入力し直す必要がありました。

 また、この8インチのフロッピーは取扱いを慎重にしないといけませんでした。
 磁石に近づけたり、フロッピーのうえにものを落したりで磁気の表面に傷がついて
 しまい入出力エラーを起こしてしまうことがよくありました。
 保存しておいた多数の文書がすべて読めなくなってしまうということもありました。
 いろいろと苦労したものです。

 ところで、キーボードの入力方法ですが、皆さんはどんな方法を使っていらっしゃ
 いますか。
 現在のパソコンの日本語の入力方式にはローマ字変換方式とかな変換方式の二種類が
 あります。
 一般的にはローマ字変換方式を使っていらっしゃる方が多いかと思います。
 ローマ字変換方式は英文字26文字だけの入力で英文タイプとの共通性とブラインド タッチが比較的容易なために推奨されている方式です。

 私も英文字のブラインドタッチでのキー入力方式を練習しました。
 英文タイプの入力訓練用の教科書を使い練習しました。
 しかし、どうしても薬指と小指が旨く使えませんでした。
 練習しているうちに指の筋がおかしくなり、腱鞘炎といわれる症状になりそう
 でした。
 このまま続けると危険と思いブラインドタッチは断念しました。
 従って、今でもかな変換方式で入力しています。
 ローマ字入力よりも入力文字数が半分でよいのと頭の中でローマ字を思い浮かべる
 必要がありません。
 頭に浮ぶひらがな文字を直接入力すればよいわけでこちらの方が自然に思えます。
 私の場合にはこちらの方が自然であり、入力スピードも速いように思います。
 文章を考えるスピードと入力するスピードを同期できるからです。

 かな変換方式を使い、基本的には左右の人差し指一本ずつで入力しています。
 この方法でも入力スピードには不自由はしていません。
 外国映画等で外人の記者が両手の人差し指で相当の速さでタイプしているシーン
 を時々見かけることがありましたがあのスタイルでこの文章も入力しています。

 日本語ワードプロセッサーは、活字文字の清書マシンではありません。
 日本語ワードプロセッサーは「シンキングマシン」であると考えています。
 
 頭で考えていることを文章として吐き出していくための機械なのです。
 潜在している頭の中の考えを顕在化させるための機械なのです。

 文章を吟味・推敲することにより考えを深めることができます。 
 考えるスピードについてくるだけの入力スピードがあればよいということに
 なります。

■ところで、仮名漢字入力方式にはいろんな方式がありました。

 そのひとつに、富士通の日本語ワードプロセッサーのオアシスシリーズに採用された
 親指シフト方式という特殊なキーボードを使う独特の入力方式がありました。
 一時期は、仮名漢字入力がスピードアップするということでかなり普及しました。
 しかし、パソコンとの共通化等の問題で結局は現行のJIS方式に統一されて
 しまいました。

 日本語ワードプロセッサーはその後低価格化・小型化が進み一般家庭にまで普及
 しました。
 一般家庭での利用方法はほとんどは年賀状印刷でしたが・・・。

 最終的には、日本語ワードプロセッサーはパソコンに代替されてしまいました。

 日本語ワードプロセッサーの本部業務での活用策に関してはいろいろなことを試み
 ましたが別途機会があれば書いてみたいと思いますがここでは割愛いたします。 

 次回は、PC導入初期からPCネットワークの普及に至る過程について書いて
 いきます。

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■本部業務の合理化に関して

■本部業務の合理化に関して

 今回からしばらくは本部業務のOA化に関して書いてみたいと思います。
 OAとはオフィスオートメーションの略称です。
 企業の本部業務の合理化はどの企業でも大きな課題です。
 大組織になればなるほど本部組織は肥大化し、官僚化の傾向になります。
 日本のホワイトカラーの生産性の低さは有名ですが、
 日米のホワイトカラーの生産性の比較がなされており、この合理化・効率化
 のための努力をいろいろと工夫してきました。

 銀行の本部人員の削減施策もいろいろと模索してきました。
 この施策の一環として本部業務のOA化が課題となっていたのです。

 本部業務の合理化を推進するために何をすべきかいろいろと模索しました。

 大型コンピュータを利用したいわゆるMISシステムと呼ばれた経営情報管理
 システムの開発にも関与しました。
 TSS(タイムシェアリングシステム)の端末を本部に導入して、
 BASIC言語やAPL言語でのエンドユーザーコンピューティングのはしりの
 システムも導入しました。

 BIS(支店情報管理システム)、CIS(顧客情報管理システム)、
 PIS(人事情報管理システム)、SIS(戦略情報管理システム)等々の
 システム開発やファイリングシステムの効率化や情報交換をスピードアップする
 ためのファクシミリネットワークシステムの導入、一斉同報通信用の直通電話の導入
 等々と各種の本部合理化システムも導入しました。

 これらの本部合理化施策の一部に関して説明してみたいと思います。

 本部業務のOA化の事始は日本語ワードプロセッサーの導入から始まりました。
 そして、一部の業務にオフコンが導入され、PCが導入され、やがては、
 PC-LANシステムが導入されるようになりました。

 情報交換システムとしてファクシミリネットワークシステムが導入され、
 やがて、本部全体の電子メールの導入になります。更には全営業店を対象とした
 WANネットワークの構築へと発展していきました。

 この過程でいろいろな苦労がありました。
 この本部のOA化推進の導入顛末について書いてみたいと思います。

■日本語ワードプロセッサーの導入に関して

 最初に採り上げるのは「日本語ワードプロセッサー」の導入です。

 最初にワードプロセッサーに接したのは「東芝のJW-10}という
 当時の価格で450万円(?150万円だったかも)の事務机と同じサイズの
 オフコン型の大型機械でした。

 仮名漢字変換の高級漢字文字入力機器であり、漢字印刷機械として導入したのです。
 この機械は当時としては、画期的であり大変便利なものでした。

 この機械を何に使ったかですが、その前に大企業の本部スタッフの業務内容の
 一部に関して説明しておく必要があります。

 銀行の企画スタッフの業務のひとつに、担当役員の取締役会説明資料の作成、
 取締役会へのシステム開発案件等の決裁申請書類の作成、支店長会での担当役員
 指示事項の資料作成と読み上げ原稿書きという仕事等があります。

 私自身もこの仕事を通じていろんなことを勉強しました、訓練もされました。

 担当役員や上司である部長のための会議資料や会議での読み上げ原稿を作成する
 ことが本部スタッフとして必要な仕事ですが幹部候補生の教育の場でもあります。

■具体例として、支店長会の専管役員の指示事項の作成過程の概略に関して
 説明します。

 支店長会での役員指示の30分程度の原稿ですから内容的にもボリューム的にも
 相当なものになります。
 この支店長会での支店長に対する配布資料の作成も必要です。

 年2回開催される支店長会のための作成負荷は大変なものですが、部門の業務計画の
 見直しと実績のまとめを半期ごとに行うという役割を果たしています。
 専管役員との施策に関するコミュニケーションの役割も果たしているのです。

 さて、この支店長会の専管役員の指示事項の作成プロセスの概要です。

 まず、指示事項の趣旨に関しての箇条書きの《目次》を作成します。
 この段階で各種のバックアップ用の統計資料等も作成します。
 この《目次》と《資料》に関して役員と何回か打ち合わせを行い全体の構成を
 固めます。

 この構成に従い、具体的な説明資料と読み上げ原稿を作成します。
 
 資料は勿論手書きです。グラフや図式も定規を使い書き上げていきます。
 ハサミやカッターを使い、のりやセロテープを使い資料を作成していました。
 また、役員の読み上げ原稿は勿論原稿用紙に手書きです。
 この手書き原稿に対して加筆・修正・場所の入れ替え等が入ります。

 この原稿を清書して再度推敲します。この清書原稿に役員の修正が入ります。
 この修正を反映させて再度清書原稿を作成する。この反復です。

 役員の中には、この修正を何回も何回も行う人もいます。
 最初から全面的に書き直しという場合もあります。
 その度ごとに原稿を修正します。

 このような過程を経て最終原稿が出来上がります。
 字の下手なスタッフは、原稿を作成する過程で字のきれいなベテランの女子行員
 に清書をお願いしていましたので、原稿作成に相当の時間をかけていました。

 そして、最終原稿は、日本語タイプで仕上げていました。

 当時の企業には、タイプ室という専門の部屋があり、10数名の日本語専門の
 タイピストがいました。
 タイプ用の活字を拾って原稿作成していましたので、本部各部からのタイプ依頼
 が集中してタイプ室は大忙しだったのです。
 タイプを優先的に速くしてもらうためにタイプ室へのお菓子の付け届けも
 欠かせませんでした。

 ともかく、支店長会の二ヶ月程前から毎日深夜までの作業が続くのか定例となって
 いました。

 この作業に日本語ワードプロセッサーをはじめて導入しました。

 これにより、読み上げ原稿や添付資料の作成は飛躍的に速くなりました。

 資料の作成も罫線機能やグラフ作成機能等を使い見栄えのよいものになりました。

 しかし、初期のワードプロセッサーは文書変換機能や8インチフロッピーへの
 文書保存等で様々な苦労がありました。

 長くなりますので、これ以降に関しては、次回にということにします。

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■地区センターについて


■地区センター

 何回かに分けて事務集中センターやATM監視センター等に関して
 説明してきました。

 実は、都市銀行では「地区センター」という組織があります。
 この「地区センター」は、営業店と事務集中センターの中間に位置する
 組織です。
 昭和56年頃から一部の銀行で採用された事務処理方式ですが、この方式
 が最近の銀行の事務処理の標準の事務処理方式になっています。
 今回はこの「地区センター」の機能について説明したいと思います。

 「地区センター」方式とは、近隣の営業店の何ヶ店かの後方事務を一箇所
 に集中して行うことにより営業店の事務負担を軽減するというのがこの
 事務処理方式の趣旨です。

 銀行の営業店は、接客の場であり、営業活動の場であるという考え方から
 事務処理は極力営業店から除去するということであり、後方事務処理は、
 営業店以外の場所で集中処理するという考えになります。

 銀行の事務は、集中することにより、「専門化による集中効果」
 「大量処理の機械化」を期待することにより合理化を追求することが
 可能となるという「集中効果による省力化原則」の追求になります。

 銀行の店舗配置や規模により異なりますが、「地区センター」の標準的な
 規模としては10から30カ店の後方事務を集中して処理するシステム
 です。

■具体的な対象業務としては

 【預金関係】
 交換持ち帰り手形の形式点検、印鑑照合
 事務センターでの自動引落し未済分の交換持ち帰り手形引落し記帳
 その他の大量事務処理の端末予約記帳等

 【為替関係】
 仕向け振込送信記帳
 事務センターでの自動入金処理未済分の被仕向け振込入金記帳
 振込結果のお客様への電話連絡等

 【口座振替関係】
 営業店個別引落し分の端末代行記帳
 口座振替依頼の保管等

 【その他】
 案内状等のメール発送事務
 伝票の綴込み事務等

 個々の業務に関しての詳細の説明はしませんが、事務センターで処理不能と
 なった個々の取引に関しては人力により対応する必要があります。
 この例外処理を「地区センター」で対応しているということです。
 また、端末の記帳事務等を集中処理しているということです。

 事務集中センター事務と「地区センター」事務との処理区分に関しては
 銀行の個別事情により異なりますが、相互補完関係になっています。

■まとめ

 要約すれば、銀行の事務処理は、a.営業店での店頭事務処理、
 b.営業店での後方事務処理、c.「地区センター」での後方事務処理、
 d.専門集中事務センターでの集中事務処理 の四区分に大きく分け
 られるということです。

 これらの事務を円滑にするために、各々の拠点を結びつける搬送システム
 が必要となります。
 このために、メール便と通信伝送路の整備が必要となります。
 
 具体的な例としては、印鑑照合のためには、印鑑のイメージを電子
 ディスクに保存してどこの端末でも検索可能とする「印鑑照合システム」
 や伝票等のイメージをカメラで撮影してこのイメージをベースに自動入力
 するイメージスキャンニングの「OCRシステム」等が導入されています。

 従って、バンキングシステムの中で、大量の情報を伝送するため
 のブロードバンドネットワークの構築が必要となってきたという背景の
 ひとつに、「事務処理体制の変化」で大量の情報の交換が必要となって
 きたという時代の推移があります。

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■ATM監視システムについて


■ATM監視システムに関して

 店舗外設置の信販会社のATMがシャベルカーで壊されて、中に入って
 いた現金が盗まれるという事件がつい先日も報道されていました。
 警報が鳴ったのですが、警備員の到着が間に合わなかったようです。

 ATMには現金が装填されていますので、犯罪者に狙われやすい対象と
 なります。従って、犯罪防止のための各種の工夫が必要となります。
 また、ATMは無人で運用されるために、ATMを設置するATM
 コーナーには各種の監視センサーが設置されており、異常を検知すれば
 警報装置が鳴って警備員が到着する仕組みになっています。
 
 ATM単体にも各種のセンサーが装備されていますし、ATMコーナー
 全体を監視するために、ビデオの監視カメラ、温度センサー、光センサー
 等が張り巡らしてあります。

 スパイ映画等で美術館の宝石や絵画を盗むシーンで、振動センサーや
 温度センサー、それに赤外線センサーの網を潜り抜けて、目的のものを
 盗むというスリルに富んだシーンが出てきます。
 勿論あそこまでATMコーナーは厳重ではありませんが、映画のシーンと
 同様の簡易版の監視機能は備えています。
 これらのセンサーが異常を感知すると、ATM監視センターに警告が
 表示され必要ならば近辺に配備された警備員の出動となるのです。

 現在では24時間稼動のためATMコーナーが多くなりましたが、
 一般のATMコーナーは営業時間(稼働時間)が終了するとシャツター
 が下りる仕組みになっています。

 この営業終了でシャツターを自動で閉める場合にも各種のトラブルが
 予想されます。このための対応が必要となります。
 このトラブルを回避するためにも各種の工夫がなされています。

 例えば、カードコーナーに人が居るのにシャツターを閉めてしまったり
 カードコーナーの床の上に人が寝ていたりする場合もあるのです。

 これらを遠隔で感知し、ATMコーナーに異常がないことを確認した上で
 シャツターを下ろす必要があります。このための各種の機能が組み込まれ
 ているのです。

 無人のATM単体にもいろんなトラブルが発生します。
 ハードのトラブルやソフトのトラブルもATM開発初期の段階では多発
 しましたが、最近は安定稼動しているようです。
 磁気カードが読めない、現金が出てこない、入金の現金がジャムって
 しまう等々のトラブルが発生します。
 これらのトラブルが発生した場合には、ATMの横に設置された電話を
 利用することになります。
 この電話はATM監視センターに直接つながります。
 そして、ATMの監視員が応対し適切な処置を行うことになります。
 
 これ以外によく起こることとして、お客様自身の問題として、通帳の取り
 忘れ、現金の取り忘れ、キャッシュカードの取り忘れということが発生し
 ます。
 ATM自体が音声や警告音で警告しているのですが、気づかないお客様も
 多いのです。
 後列にお客様が並んでいる場合にはその人が声をかけてくれれば気づく
 場合もあるのですが、後列に誰もいない場合にはそのままになってしまい
 ます。
 この場合には、ある一定時間放置されたままの場合には自動回収する
 仕組みが必要となります。
 自動回収できない場合には警備員が出動して対処する必要があります。

 ATMを無人で24時間稼動させるためには、各種のトラブルに対して
 遠隔で各種の指示や操作する機能や電話での人的対応が必要となります。

■ATM監視センター

 これらのATMで発生する各種のトラブルの問題解決を行うのが
 24時間稼動のATM監視センターの役割です。
 以前は各銀行で個別に対応していましたが、現在では、これらの業務は
 アウトソーシングビジネスとして独立したビジネスとしてATMの監視
 を専門とする会社が設立されています。

 ATMを無人で24時間稼動させるためには、裏方のバックアップシステム
 が必要と言うことがご理解いただけたものと思います。
 このための維持運用コストも相当な額になります。
 すべてのATMを24時間稼動にしていないのは、利用頻度と維持コスト
 とのバランス比較の問題となります。

 コンビニの24時間稼動のATMの出現により銀行ATM網の代替機能
 としての役割は大きなものとなっているのです。

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■最近のATMに関するトピックスについて

■最近のATMのトピックスから

 今回は、最新のATMの新傾向に関して若干の補足説明をしておきたい
 と思います。
 
 その1.バイオメトリックスによる本人確認システム
 その2.FELICA付の携帯電話でATMを操作

 以上2点を採り上げてみたいと思います。
 
 その1.ATMで現金の入出金や為替の振込の場合には、
 キャッシュカードを利用します。現状の磁気ストライプ付のキャッシュ
 カードには偽造防止のための各種の仕組みが施されてはいますが万全では
 ありません。そこで、本人確認手段としてバイオメトリックスを利用する
 システムが開発されました。

 東京三菱銀行はキャッシュカードを利用する際の安全性を高めるため、
 預金者の手のひらの静脈を赤外線で読みとって本人確認をする
 「生体認証」(バイオメトリックス)機能がついた現金自動預け払い機
 (ATM)を、今年秋から全国の店舗に順次設置していく方針を明らか
 にしました。預金者はIC(集積回路)チップ付きのキャッシュカード
 をATMに挿入して暗証番号を入力し、手のひらをATMの画面の横に
 ある読み取り機にかざして本人と確認されれば、預金の引き出しなどが
 できる仕組みとなっています。
 ICチップに手のひらの静脈情報が蓄積されており、この情報で本人
 確認が行われるという仕組みになっています。
 本人確認のために暗証番号だけでなく、二重の安全装置を付加したこと
 になります。
 静脈パターンは、指紋と同じように、個人個人で必ず異なるため、
 従来の磁気方式のカードでは十分に防ぐことができないカードの不正
 利用などを防止する機能を高める狙いがあります。
 ATMに生体認証の機能を組み込むのは、国内の銀行では初めてですが
 ICチップとバイオメトリックスの組合せという新たな方式の出現です。

 ただし、この方式では他行やコンビニのATMを使った場合には、
 有効ではありません。しかしながら、ネット取扱額の一日当りの支払い
 可能金額の制限がありますので被害をこの設定された一定額以下に抑える
 ことが可能となります。

 その2.携帯電話に非接触型のICチップを組み込み、このICチップに
 キャッシュカードの機能と電子マネーの機能を組み込むことも可能となっ
 てきています。ドコモはFELICAチップを組み込んだドコモのお財布携帯
 電話を販売しています。 

 FELICAとはソニーの開発した非接触型のICチップです。
 この方式はJR東日本のSUICAやJR西日本のICOCA等の定期券や乗車券用に
 使われているものと同類の技術仕様のものです。
 また、電子マネーでコンビニのam/pmや店舗、ウェブ上で利用されている
 Edyもこの方式を使っています。
 このFelicaをDocomoの携帯電話に搭載したものが「お財布携帯」です。
 
 UFJ銀行は11月をメドに、特殊な携帯電話端末を接触させる
 だけでキャッシングなどができる現金自動預け払い機(ATM)の設置
 を始めるとのことです。電子マネー機能を備えた携帯電話の普及を
 にらんだものだそうです。非接触型ICチップ「FELICA(フェリカ)」
 を搭載した最新機種の携帯電話が対象となります。
 UFJ銀行は、東京・大阪などの3店舗で設置し、利用状況をにらみ
 ながら数百台規模に順次、拡大する方向だそうです。

 以上の様に、銀行のキャッシュカードも磁気ストライプ方式から、
 ICチップ方式に転換されつつあります。これにより従来にない機能を
 組み込むことが可能となります。
 これに伴い新型ATMの開発競争も開始されつつあるということです。

 携帯電話にFELICAのチップを組み込むことにより、携帯電話で電車に
 乗ったり、携帯電話の電子マネーでレストランの支払いやコンビニ等の
 ショップで買い物ができるようになりました。
 更に、クレジットカードや銀行のキャッシュ機能も組み込むことが可能
 となっています。
 この分野の応用分野も順次拡大されてくるものと思います。

 便利になる一方で、携帯電話を紛失した場合のリスクも増大するという
 ことになります。

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