■カードバンキングについて
■今回はCB(カードバンキング)について説明します。
前回と前々回と今回はEB(エレクトロニクスバンキング)について書いています。
日本のエレクトロニックバンキングは、
「EB=FB+HB+CB」 という構図で推進してきました。
法人向けサービスであるFB、個人向けサービスであるHB、そして、両者を対象に
したCBという構図です。
■CBと言う言葉は余り普及していない言葉ですが、銀行の個人戦略の一環
として重視され、各種のカード戦略を展開してきました。
キャッシュカードに付加価値を付けるという意味で、提携タイプのICカードの発行
もCB戦略の一環です。
企業と提携することにより、社員証と銀行のキャッシュカードを一体化した
ICカードを発行することにより、大企業や中堅企業の従業員の囲い込み戦略を
狙った戦略です。
提携先の企業は親密取引先である必要があり、法人取引深耕の一環ともなります。
ところで、銀行の個人戦略には、マーケットセグメント別の戦略があります。
個人マーケット別の戦略としては、大きく分類すれば、富裕層戦略、職域戦略、
マスマーケット戦略と大きく3分類となります。
実際には、更にこの分類を細分化するわけですが、ここでは大分類だけにとどめて
おきます。
この各々のマーケット戦略とカード戦略とが連動しています。
CB戦略は、主に職域戦略が中心となります。
社員証とキャッシュカードの一体化したカードを共同発行することにより、従業員の
預金口座を確保することが可能になります。
従業員の給与振込口座を確保することにより、この取引をベースとして、従業員向け
の各種のサービスを開発して提供することが可能となるのです。
一方、企業の方は、カード発行負担が軽減されると同時に、従業員にとっては、
社員食堂や社員用のショップの買い物の決済用にこのカードを使うことが可能な
システムを利用することにより、利便性の高いサービスを享受することが可能と
なります。
社員証とキャッシュカードを一体化させることにより、新入社員の取引を確保する
ことが可能であり、会社を退職するまでの間、この取引をベースに各種の戦略の
展開が可能となるのです。
ライフステージに合わせて、資産運用サービスの囲い込みが可能となるのです。
具体的には、
月々の給与天引預金による積立預金の確保から、結婚式や教育資金のローン取引、
住宅ローンの取引、退職時の退職金の確保とライフステージに応じたバンキング
サービスを提供することが可能となるからです。
■CB戦略には、別の方向の展開戦略もあります。
クレジットカードとキャッシュカードとの統合ICカードの発行戦略です。
銀行のお客様の情報収集力は、一部のお客様を除いて弱体なのです。
預金口座を新規に開設するときに得られる情報も最低限の基本情報です。
最近は、マネーロンダリングの関係で、新約時の本人確認義務が法律でも
義務付けられており、本人確認できる公的に証明するものにより本人確認を
行う必要があります。このときに得られる情報により正確な情報が入手できる
ようにはなっていますが、それでも限定的な情報しか収集できません。
その後、転居や就職先が変わっても預金だけの取引の場合には、情報の更新は
行われないケースが圧倒的に多いのです。
従って、ローンの取引を勧誘したり、銀行自身の発行するクレジットカードにより、
より突っ込んだ「個人情報」の収集が可能となるのです。
またこれにより、「個人情報」の更新も可能になるのです。
この新鮮で、精度の高い「個人情報」をベースに、各種のマーケティング戦略を
展開することが可能となります。
コンピュータのデータ処理の世界に「GIGO」という言葉があります。
「ギャベッジイン・ギャベッジアウト」の頭文字をとった言葉です。
「つまらない不正確なデータ」はどのように高度のコンピュータ技術を駆使しても
「つまらない役立たずのアウトプット」しか得られないというのは自明の理です。
従って、銀行の「個人マーケティング情報システム」にとっては、精度の高い個人
情報収集方法と新鮮な更新された情報をいかに入手するかが課題となります。
このための方法が、各種のCB戦略ということなのです。
最近では、銀行の窓口で、投資信託や保険商品の斡旋販売が可能になっています。
また、証券会社への取次ぎ業務も可能になっています。
いわゆる「金融商品に関してのワンストップサービス」の提供です。
銀行窓口で「総合的な金融サービス」を提供することにより手数料収入を増加させる
戦略の一環です。
このワンストップ戦略の「潜在マーケット」を掘り起こすためにも「個人情報
データベース」の構築は不可欠です。
これからも、銀行は「新鮮で・精度の高い個人情報」をベースにした、
個人マーケット戦略を強化していくことになります。
しかしながら、この反面で「個人情報の漏洩問題」が大きな課題となっています。
2005年の4月から「個人情報保護法」が施行され、「個人情報」の保護に関して
より強固な対応を必要としています。
「個人情報の精度の高い情報収集活動」と「個人情報の保護」とは一対のものです。
銀行のキャッシュカードはICカード化する基本方針が決定されています。
せっかくICカード化するわけですから、このICカードを多機能化することが
今後の銀行のCB戦略の展開ということになります。
銀行のCB戦略も新たな展開を求められているということです。
これからどんな新戦略があらわれるか楽しみです・・・・・・。
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