■本部業務の合理化に関して
■本部業務の合理化に関して
今回からしばらくは本部業務のOA化に関して書いてみたいと思います。
OAとはオフィスオートメーションの略称です。
企業の本部業務の合理化はどの企業でも大きな課題です。
大組織になればなるほど本部組織は肥大化し、官僚化の傾向になります。
日本のホワイトカラーの生産性の低さは有名ですが、
日米のホワイトカラーの生産性の比較がなされており、この合理化・効率化
のための努力をいろいろと工夫してきました。
銀行の本部人員の削減施策もいろいろと模索してきました。
この施策の一環として本部業務のOA化が課題となっていたのです。
本部業務の合理化を推進するために何をすべきかいろいろと模索しました。
大型コンピュータを利用したいわゆるMISシステムと呼ばれた経営情報管理
システムの開発にも関与しました。
TSS(タイムシェアリングシステム)の端末を本部に導入して、
BASIC言語やAPL言語でのエンドユーザーコンピューティングのはしりの
システムも導入しました。
BIS(支店情報管理システム)、CIS(顧客情報管理システム)、
PIS(人事情報管理システム)、SIS(戦略情報管理システム)等々の
システム開発やファイリングシステムの効率化や情報交換をスピードアップする
ためのファクシミリネットワークシステムの導入、一斉同報通信用の直通電話の導入
等々と各種の本部合理化システムも導入しました。
これらの本部合理化施策の一部に関して説明してみたいと思います。
本部業務のOA化の事始は日本語ワードプロセッサーの導入から始まりました。
そして、一部の業務にオフコンが導入され、PCが導入され、やがては、
PC-LANシステムが導入されるようになりました。
情報交換システムとしてファクシミリネットワークシステムが導入され、
やがて、本部全体の電子メールの導入になります。更には全営業店を対象とした
WANネットワークの構築へと発展していきました。
この過程でいろいろな苦労がありました。
この本部のOA化推進の導入顛末について書いてみたいと思います。
■日本語ワードプロセッサーの導入に関して
最初に採り上げるのは「日本語ワードプロセッサー」の導入です。
最初にワードプロセッサーに接したのは「東芝のJW-10}という
当時の価格で450万円(?150万円だったかも)の事務机と同じサイズの
オフコン型の大型機械でした。
仮名漢字変換の高級漢字文字入力機器であり、漢字印刷機械として導入したのです。
この機械は当時としては、画期的であり大変便利なものでした。
この機械を何に使ったかですが、その前に大企業の本部スタッフの業務内容の
一部に関して説明しておく必要があります。
銀行の企画スタッフの業務のひとつに、担当役員の取締役会説明資料の作成、
取締役会へのシステム開発案件等の決裁申請書類の作成、支店長会での担当役員
指示事項の資料作成と読み上げ原稿書きという仕事等があります。
私自身もこの仕事を通じていろんなことを勉強しました、訓練もされました。
担当役員や上司である部長のための会議資料や会議での読み上げ原稿を作成する
ことが本部スタッフとして必要な仕事ですが幹部候補生の教育の場でもあります。
■具体例として、支店長会の専管役員の指示事項の作成過程の概略に関して
説明します。
支店長会での役員指示の30分程度の原稿ですから内容的にもボリューム的にも
相当なものになります。
この支店長会での支店長に対する配布資料の作成も必要です。
年2回開催される支店長会のための作成負荷は大変なものですが、部門の業務計画の
見直しと実績のまとめを半期ごとに行うという役割を果たしています。
専管役員との施策に関するコミュニケーションの役割も果たしているのです。
さて、この支店長会の専管役員の指示事項の作成プロセスの概要です。
まず、指示事項の趣旨に関しての箇条書きの《目次》を作成します。
この段階で各種のバックアップ用の統計資料等も作成します。
この《目次》と《資料》に関して役員と何回か打ち合わせを行い全体の構成を
固めます。
この構成に従い、具体的な説明資料と読み上げ原稿を作成します。
資料は勿論手書きです。グラフや図式も定規を使い書き上げていきます。
ハサミやカッターを使い、のりやセロテープを使い資料を作成していました。
また、役員の読み上げ原稿は勿論原稿用紙に手書きです。
この手書き原稿に対して加筆・修正・場所の入れ替え等が入ります。
この原稿を清書して再度推敲します。この清書原稿に役員の修正が入ります。
この修正を反映させて再度清書原稿を作成する。この反復です。
役員の中には、この修正を何回も何回も行う人もいます。
最初から全面的に書き直しという場合もあります。
その度ごとに原稿を修正します。
このような過程を経て最終原稿が出来上がります。
字の下手なスタッフは、原稿を作成する過程で字のきれいなベテランの女子行員
に清書をお願いしていましたので、原稿作成に相当の時間をかけていました。
そして、最終原稿は、日本語タイプで仕上げていました。
当時の企業には、タイプ室という専門の部屋があり、10数名の日本語専門の
タイピストがいました。
タイプ用の活字を拾って原稿作成していましたので、本部各部からのタイプ依頼
が集中してタイプ室は大忙しだったのです。
タイプを優先的に速くしてもらうためにタイプ室へのお菓子の付け届けも
欠かせませんでした。
ともかく、支店長会の二ヶ月程前から毎日深夜までの作業が続くのか定例となって
いました。
この作業に日本語ワードプロセッサーをはじめて導入しました。
これにより、読み上げ原稿や添付資料の作成は飛躍的に速くなりました。
資料の作成も罫線機能やグラフ作成機能等を使い見栄えのよいものになりました。
しかし、初期のワードプロセッサーは文書変換機能や8インチフロッピーへの
文書保存等で様々な苦労がありました。
長くなりますので、これ以降に関しては、次回にということにします。
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