■本部OA化推進とオフコン導入について
■本部OA化推進とオフコン導入
今回は本部業務のオフィスオートメーション化の過程でのオフコンの導入事例
を中心に書いてみたいと思います。
バンキングシステムは、営業店の事務合理化や本部の情報管理システムに
関しては、大型汎用コンピュータを使ったシステムの開発に大規模な投資を
行っていましたが、本部の各部の事務は旧態のままの手作業での事務処理が
多数残っていました。
本部各部の中には機械化に無関心というか機械化に向かないということで放置
されていた業務が多数ありました。
そこで、これらの分野にオフコン等を利用して合理化を図ろうということに
なりました。オフコンはパソコンが普及する以前のシステムとして一時期は
導入ブームがありました。
いわゆる、「分散処理」形態のシステムで、手軽にシステムが開発できると
いうことでメーカーからの売込みが激しかった時期がありました。
独立系のソフト会社からの事務合理化のための各種のパッケージソフトの
売り込みも多数ありました。
この時期に、今まで手作業で行っていた事務処理部分の合理化に着手しました。
パソコンでは機能が不足する、汎用の大型コンピュータ処理には不向きの分野を
機械化するための方法を模索していた時期にあたります。
この間隙を埋めるものとして、ミニコンとかオフコンがブームになりました。
これらを利用して、本部の事務処理の合理化を推進しようというのが、本部OA化
推進運動でした。本部OAとは、本部業務のオフィスオートメーション化といわれる
分野でホワイトカラーの生産性が低く、本部の事務合理化が話題になった時代背景
がありました。この時期には、ファイリングシステムの合理化や本部業務の不効率な
業務分野の合理化に着目したシステムが検討されました。
この中で、ミニコンやオフコンも問題解決のツールとして導入が検討され、
いくつかのサブシステムが開発されました。
■具体的なサブシステムアプリケーション事例としては、
本部・営業店の什器や備品の管理台帳システム
事務機器管理台帳システム
営業店レイアウト図台帳管理システム
営業店レイアウト図作成システム(CADシステムの導入)
本部経費伝票集計管理システム
支店の店舗台帳管理システム(支店の概要を表示するもの)
支店業績評価管理システム
秘書課の役員室のスケジュール管理
会議室の予約管理システム
これ以外にも、
海外店事務合理化システム(IBM/S36)
外国事務センター事務合理化システム(DEC/PDP-11)
ディーリングルーム管理システム
人事職歴管理システム
人事考課策定支援システム
人事研修履歴管理システム
証券・株式管理システム
人工知能(AI)利用の個人資産運用投資管理・提案システム
人工知能(AI)利用の路線価・土地資産評価管理・提案システム
人工知能(AI)利用の事業継承のための株価評価・提案システム
等々のサブシステムが開発されました。
これらのサブシステムは、パソコンのLANシステムに移行されるか、
汎用大型システムに組み込まれるということになりました。
一部のミニコンやオフコンはいつの間にか新たに出現した、パソコンや
オープン系のクライアント・サーバーシステムに置き換えられていきました。
現在でも、多数の分散型のサブシステムがオープン系のシステムで稼動しています。
この本部OA化運動は、機械化・合理化の対象外であった本部業務の洗い出しと
システム化のきっかけをつくることになりました。
この時代のシステム基盤がパソコンLANの合理化システムへの移行の事前準備
段階であったということになります。
■OA化推進運動時代のテーマ
このオフィスオートメーション時代に検討したテーマを列挙しておきます。
これらのテーマは現在でも根本的な解決策が見つかっていない問題もあります。
特に、「個人情報保護法」の来年4月の施行に向けて、セキュリティー対策が
重要課題になっていますが、「電子情報」の管理だけでなく「紙ベースの情報」
の管理体制の整備が重要です。
「文書の管理規定」の改定と実行状況の管理はいつの時代でも重要課題です。
情報文書が増大する中で、文書ファイルの整理整頓を基本とした「文書管理」
の体制作りはいつの時代でもオフィス合理化のテーマとなります。
具体的に当時検討し、解決策を模索したテーマと解決策の事例を列挙しておきます。
文書作成システム(日本語ワードプロセッサーの大量導入)
各種文書のファイリングシステム(機械化以前のテーマとして文書管理規定の制定)
(文書の重要度・保存期限・新旧文書の保管入替ルール等々の文書管理基準の策定)
(文書管理責任者の制定、文書保存規定・文書破棄ルールの策定、等々)
(文書サイズのB版からA版への変更)
(文書収納キャビネット、文書収納BOX、バインダーの策定、表示ラベルの策定)
(機械化以前の問題としてファイリング用の各種文具の検討も必要でした)
新聞記事ファイリング・検索システム(光ディスクシステムの導入)
各種公式文書ファイリング・検索システム(光ディスクシステムの導入)
ファクシミリネットワークシステム(全店高速ファクシミリの導入)
各種本部業務の計数管理システム
(パソコンによる計数管理、表計算システムの導入・普及教育)
今回は、銀行の本部OA化の歴史の一端をご紹介しました。
パソコンLAN・WANが普及して、合理化が進んだ一方で、ネットワークの
セキュリティーが問題となっています。外部からのアタックや内部の利用者による
情報の持ち出し等の「情報漏えい事件」が多発しています。
システムには常に「裏と表」「光と影」が付きまとうものです。
この両者のバランスを如何に保つかがシステム設計者の永遠の課題ということに
なります。
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