■生体認証の問題点
■生態認証方式の問題点について
■今週のトピックス
何日か冷たい雨が続きましたが、昨日今日と晴れのようです。
それでも、夜は、肌寒くなってきましたが、日中はまだ暑いようです。
ところで、前回でインターネットバンキングの脆弱性に関して次回と予告していましたが、その前に、「生体認証」に関して触れておきたいと思います。
更にその前に、もうひとつ、ヤフーのホームページの偽装サイトを三分間で簡単に作ることができるという記事がありました。
現実に、偽装サイトでニセのニュースが流れていました。
先週の日経新聞の記事だったと思います。
米国では、フィッシングのためのサイトが作られ、これにより7300万人以上が平均50件以上のフィシングメールを受け取り被害額は1000億円を上回るという米国ガートナーの報告があります。
日本でも、いよいよかと連想した次第です。
このヤフーサイトの偽造事件と米国のフィッシング事件との関係は、無関係ではないのです。
3分間で作れるというのは、最初は、すごい技術力と考えていましたが、実は、たいしたことではなかったのです。
インターネットのブラウザーの機能に、「ソースの表示」という機能があります。
ご存知でしたか?
この機能を使えば、ウェッブサイトのコピーは簡単にできてしまうのです。
これに「ちょこっと」手を加えれば偽装サイトは作れてしまうのです。
この防止策はないものかと思っていましたら、ありました。
ウェッブサイトのソースを見えなくする方法です。
私の友人が経営している、オープンソースジャパンという会社 http://www.opensource.co.jp/ の子会社の
PHPというウエブ言語の関連商品を扱っている、
ゼンドジャパンという会社 http://www.zend.co.jp/ の
商品である、
Zend Encoder 日本語版/Zend SafeGuard Suite 日本語版
を使えば問題ないとのことでした。
簡単な説明を引用しておくと、
「Zend Encoder 日本語版は、テキスト形式の
PHPスクリプトをプラットフォーム非依存なZend独自の
中間コード(バイナリ形式)に変換します。
この変換によりオリジナルのソースコードファイルへの
アクセスやコピーをできないようにします。
同時にファイルの最適化も行い、リバースエンジニアリングを
防ぎます。」
ということのようです。
なるほどと先週は納得したところでした。
この件に関しては、後刻、触れることにしますが、
話を戻して、
今回は生体認証に関しての考えをまとめてみました。
■生体認証の背景
キャッシュカードのスキミング事件等の一連の
キャッシュカードを利用した預金盗難事件を契機として、
銀行預金のセキュリティー対策が社会問題となってきました。
従来、「磁気ストライプ付きのキャッシュカード」は、
暗証番号さえ盗まれなければ、「セキュリティー」上問題なし
といわれてきました。
しかし、現実問題として、各種の盗難事件が起こり、
この欠点を補完するために、法的には、
「預金保護法」が2005年8月に成立し、
2006年2月から施行されることになったのです。
一方、技術的な解決策としては、ICカード化や生態認証方式が
採用されようとしています。
■生態認証技術について
キャッシュカードのセキュリティー強化対策として
「ICカード化」に加えて各種の方式が検討されてきました。
このひとつに「生態認証技術の採用」がキャッシュカードの
スキミング事件を契機として急浮上してきました。
本人確認技術はいろいろな方式があります。
一番ポピュラーな方式は、「指紋認証」であり、
世間的には一番普及している方式です。
これ以外にも、音声認証、眼の光彩認証、顔の骨格認証、
そして、手の平、または、手の指先の血流パターンを利用した
「静脈認証」等と各種の方式が実用化されています。
今回も東京三菱銀行が先行して、
「手の平の静脈パターン」をキャッシュカードに埋め込んだ
ICカードに記録する方式の本人認証サービスを開始しました。
歴史は繰り返すというか、またもや、「業界統一」の問題が
発生したのです。
この技術は「富士通」のものです。
対抗方式としては、「手の平」ではなく、
「手の指」の静脈流を使うものが登場してきました。
この技術は「日立」のものです。
また、両者を両立させる製品として「沖電気」からの
アナウンスもありました。
どちらかに統一すべきか、両方の方式を併用すべかが
再び問題となってきたのです。
「富士通」対「日立」の勢力争いということなのでしょうか?
■静脈による本人認証方式の問題点
しかし、この静脈による「本人確認」手段は、
いくつかの問題を抱えており、業界内でも疑問視する声が
多いのです。
その第一の問題点は、「コストがかかりすぎる」ということです。
ATMに認証装置を取り付ける必要があり、ATMの改造コストを
負担する必要があります。
また、「ICキャッシュカードの発行コスト」だけでなく、
「生体認証情報」の書き込みのための移行コストも
無視できません。
国民一人当たり2-3枚ともいわれる「磁気ストライプ付き」
のキャッシュカードを「ICカード」に転換するコストも
単純に一枚千円としても2-3千億円という試算となります。
更に、問題なのは、「ICカード単独の専用カード」以外は、
従来方式と新方式が利便性の問題から、
並存することになります。
従って、並存期間中のセキュリティー状況は、
現状と全く変わらないということです。
ATM端末、POS端末、デビットキャッシュ可能な携帯端末等々
と「現状の磁気ストライプ方式」を利用したシステムは
多種多様となっています。
単に、金融機関だけでなく、他業態の端末までが、
この「全銀統一の磁気ストライプ仕様を採用しています。
従って、「磁気ストライプ」方式は、
今後とも長期間存続し続けることになります。
現状からの変更には相当な時間が必要なのです。
■生態方式以外に代替方式はないのか?
ところで、
突如「静脈認証方式」が脚光を浴びることになりましたが、
この方式以外にも「本人認証方式」の強化策は
いくつか考えられます。
【技術的解決策】としては、現行の磁気ストライプ方式でも、
改善の余地はあるのです。
☆暗証番号を数字の四桁に限定するのではなく、
4桁以上の桁数自由な数字にするとか。
☆数字だけでなく、英数字や特殊文字も許容するとか、
☆カナやひらがなも可能とするとか 代替方式はいくつか
考えられます。
システムの更改や端末の改造は必要になりますが、
「生態認証方式」採用よりは低コストで実現可能な
方式と思います。
☆【保険等による保障】による「安全性」の強化も実現されます。
2005年8月に成立し、2006年2月から施行される
「預金者保護法」により、事故が発生した場合でも、
利用者に相応の注意義務が保たれていれば
全額補償されることになります。
遅まきながらの「預金」の安全性が強化されることになるのです。
☆【支払い限度額の設定】によ安全性の強化策
ATMの支払い限度額を一律低額に設定するとか、
個々人別に自由設定可能とするとかのセンターソフトによる
対応も可能となりました。
果たして、
現実問題として「生体認証」方式は、普及するのでしょうか?
大いに疑問ありと思います。
■まとめ
「キャッシュカード」の安全性強化の方法として、
急浮上したきた「生態認証方式」は、導入コスト、
運用コスト等を検討すれば、一挙に普及する方式とは
思えないのです。
「預金者保護法」による保障方式の方が、
「コスト」的にみれば安価であり、現実的な方法です。
また、前述のような「代替方式」の可能性も検討の余地あり
思います。
技術は常に進歩し続けるものであり、
「絶対に安全」というセキュリティー技術は存在しません。
「静脈認証方式」も絶対的に安全なセキュリティー技術
ではないのです。
盗人側の技術も常に進歩し続けることになり、
いつかは「静脈認証方式」のキャッシュカードからの
盗難事件は発生しうるのです。
要するに、預金者保護の視点から、
消費者の損失をカバーする仕組みは、
「技術的な側面」からだけでなく、
「総合的な視点からの対策」を探索し続けることが
【重要】ということなのです。
【編集後記】
今回は、「生体認証」に関して考えてみました。
今週は、「UFJ銀行のATMに、小型カメラがセットされていた。」
という報道記事もありました。
また、
ヨーロッパの共通通貨である「ユーロ紙幣」の精巧な偽造紙幣が、
流通しているとの報道もありました。
専門家でも簡単には、見分けがつかないほどの精巧なもの
だそうです。
お金を盗み取るいろんなテクニックが
次々と開発されてきています。
まさに、 「盗む側」と「盗まれまいと守る側」の
知恵比べということです。
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