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2006.11.09

■ウエブ進化論(4) 一極集中化現象について


ご無沙汰いたしております。
朝夕は、すっかり肌寒くなってきました。
しばらく、メルマガを発信していませんでしたので、
最近、読んだ本を参照させていただきました。

「グーグル・アマゾン化する社会」 著者:森健 光文社新書

■ウエブ進化論(4)

「ウエブの世界が、大きく変化しつつある」ということで「Web2.0」という言葉が、
流布されています。前回は、「ロングテール」というテーマを採り上げてみました。
今回は、この概念に対極すると思われる「一極集中化」という概念に関してコメント
してみたいと思います。

インターネットの普及と一般化により、バーチャルの世界では、「ロングテール」分野
でもビジネスが成立することを「インターネット上の本のデパート」といわれる
「アマゾン」のビジネスのアーキテクチャーの一部として紹介しました。

しかし、ロングテール現象については、肯定的な面と否定的な面からの意見が
多いのも事実です。
ロングテールマーケットで成功する条件については、アマゾンのようなごく一部の
ヘッドかニッチな商品やサービスを扱う業者に限られるという意見もあります。

一方では、インターネットの世界では、確実に「一極集中化」が進んでいます。

インターネットの世界では、掲示板では2ちゃんねる、オークションではヤフー、
ニュースはヤフーかアサヒコム、ブログはライブドァ、SNSはミクシィ、
動画サービスはGya0かユーチューブ、オンライン書店はアマゾン、ショッピングは
楽天等という風に分野別に一極集中化が進行しているのです。
個々のサービスに関しての説明は割愛しますが、いずれもインターネット活用の人気
サイトです。

今回は「一極集中化」を促進している事例として、グーグルとアマゾンについて考察
してみたいと思います。

検索エンジンのグーグル、通販ショップのアマゾンが、他の類似機能を有するものを
制して、独占的な機能を提供し、ますます巨大化する現象が現出しつつあるからです。
そして、更に他の分野へも進出してくる可能性も大ということです。

なぜ、この二者が独占的な地位を占めるようになりつつあるのかについて考察して
みたいと思います。

■なぜグーグルは強いのか?

今までは、日本では検索エンジンといえばヤフーというのが定説です。
しかし、世界的には、グーグルが首位を占めています。

米国の調査機関によれば、米国では、53%、フランスやドイツでは、70%、
イギリスでは、80%が検索エンジングーグルの利用者ということになっています。

日本ではヤフーが50%以上を占めているということは稀有な例なのです。
ADSLのヤフーBB、動画配信、ヤフーオークションなどの各種のサービス提供
が影響しているものと思われます。

【グーグルの強み】

1)収入源は「アドワーズ」と「アドセンス」と呼ばれる広告収入。
2006年度中には1兆1500億円の売り上げを計上する巨大な広告代理店。

2)各種のサービスを無料で提供している。

3)サービスの拡張が順次行われている。

4)24時間365日、世界中のウエブデータを集め続けている。

【グーグルのアドワーズとアドセンス】
グーグルの収入源となっている、アドワーズとアドセンスについて簡単に説明して
おきます。
グーグルでキーワード検索してみると気づかれると思いますが、スポンサーと表示
されている部分が、検索上部と右のサイトに表示されます。
この部分にスポンサー広告を表示、この広告掲示費用が広告の収入源となっている
のです。
ここへの広告は、だけでも、簡単な審査だけで広告を掲示することが可能で、
広告価格も入札方式で表示の優先順位が決定されます。
そして、この広告費用はクリックされてはじめて発生するという合理的・民主的な
ルールになっています。

また、検索エンジンを利用しない場合でも、通常のウエブ画面やブログの画面に
広告が表示されることがあります。
「Ads by Google このサイトに広告を掲載」という表示があります。
これは、自分のウエブ画面にこのグーグルアドセンスを表示させ、この広告が
クリックされれば、この広告を表示したウエブの管理者に広告代金が支払われる
仕組みになっています。
即ち、広告主側と広告代理店の橋渡しをこのグーグルアドセンス機能が果たしている
のです。
個人でも、広告代理店になることができ月収300万円以上もの広告代理店収入を
得ているつわものも存在するのです。

【グーグルのサービス拡大】

グーグルは、検索エンジン分野だけでなく、各種のアプリケーション分野にユニークな
アイデアでそのシェアを拡張し続けています。
2006年の現時点では約50種類のサービスを提供しています。

一例を挙げると、
1)Gメール、2)スカラー、3)フリーグル、4)ヒストリー、
5)グーグルニュース、6)言語翻訳ツール、7)グーグルマップ、
8)グーグルビデオ、9)グーグルスプレッドシート、
10)グーグルチェックアウト、11)デスクトップ検索、12)ピカサ、
13)グーグルアース等です。

【ユーザーの利便性の向上は、グーグルの収益に】

グーグルが、無料で各種のサービスを拡大すればするほど、グーグルのデータベースは
充実し、グーグルへのアクセスが向上し、これがグーグルの広告収入に結びつくという
好循環をもたらすのです。


■なせアマゾンは強いのか?

 ショッピングサイトの分野では、日本の場合には、楽天市場が善戦していますが、
世界的にはアマゾンが圧倒的なシェアを押さえています。

【アマゾンの強み】

1)地球最大の店舗規模、
2)売り上げ一兆円超、
3)拠点:米国、カナダ、ドイツ、イギリス、フランス、日本、中国の
  7カ国で200ヶ国へ商品を配送、
4)商品の範囲は、本だけでなく34分野に及ぶ、
5)米国では、必ず在庫のある商品数100万点、在庫のない商品も含めれば
  800万点にも及ぶ。


【アマゾンを成長に導いた二つ技術】

1)アソシエイト・プログラム(アフィリエイト・プログラム)

この技術は、アマゾンの商品をメールやウエブ等のメディアにより広告させ、
この広告が実際の商品の購買に結びついた場合には、販売手数料として数%のリベート
を支払うという仕組みです。
これにより、アマゾンの商品を多くの人間が広告する仕組みになっているのです。
いわゆる、口コミ広告にリベートを払うことにより、商品の販売力を強化する仕組み
を備えているのです。

2)リコメンデション機能

アマゾンで本を購入なさったことがある方ならご存知と思いますが、該当の本に
関連する本が推薦本として表示されます。
この機能は、類似ジャンルの本を推薦することにより販売促進機能を付加して
いることになります。


【アマゾンの顧客中心主義】

アマゾンがゼロから今日の巨大なインターネット店舗に成長した基本には、
ユーザーを呼び込み、ユーザーに便益を与えるという方向にのみ開発力を投入
したことにあります。
アマゾンの企業理念に掲げる顧客中心主義を徹底的に追求してきた結果といえます。

■まとめ

ウエブの進化は、いろんな分野で社会構造を変化させるインパクトを与えてきて
います。
この進行過程の中で、一極集中化現象も起こりつつあります。
今回は、グーグルとアマゾンを採り上げましたが、金融分野においてもこのような
「一極集中化の現象」が発生する可能性も否定できません。
その根底にあるのは、「顧客中心主義の徹底と利便性提供機能の追求」と思います。


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