ICカード

2005.04.22

■ICカードの応用分野(続々)

前回に引き続き、ICカードの応用分野について解説していきます。

 前回のVOL.015で、ICカード化により、クレジットカードの損失額
 が減少すると説明しました。

 この損失額を相当の額になると数字を明記しませんでしたが、読者の方から
 照会がありましたので、未確認データですが、平成14年度の実績で、
 不正利用額が300億円、盗難・紛失事故額が250億円で、
 合計で550億円の損失が発生しているという数字があります。
 ご参考までに掲出いたします。

 読者の方からの反応は大変うれしいものです。

 お答えできない、ご質問等もございますが、ご意見、ご照会等がありましたら
 どうぞご遠慮なく、ご意見をお聞かせください。
 
  メールアドレスは、mailto:seiichi@blue.plala.or.jp です。

 さて、ICカードの応用分野を引き続き説明していきます。

■社員証、学生証への応用

 10年以上前から多くの企業や学校で、社員証や学生証としてICカードが
 導入されてきました。

 ここで使われるICカードは、接触型と非接触型の二つのパターンが
 ありますが最近では非接触型が主流になっているようです。

 非接触型のICカードを利用すれば、オフィスや学校のコンピューター
 ルーム等への入室も読み取り装置に軽く触れるだけで入室資格の有無を判定し
 自動ドアの開鍵が可能となります。

 また、キャッシュレスシステムの搭載も可能で、社員証や学生証を使い、
 企業内の食堂や売店でPOSレジに支払い機能を組み込むことにより、
 現金不要とする企業や学校も増えています。

 ICカードをパソコンに追加した読み取り装置に読み取らせることにより、
 本人確認のための「鍵」として、ログオン・オンの認証を社員証や学生証で
 行うことも可能です。

 この社員証や学生証と銀行のキャッシュカードとの相乗りシステムは
 いくつかの事例があり、銀行の職域戦術のひとつとなっています。

 
■診察券、医療カード、フィットネスカードへの応用

 医療機関やフィットネスクラブなどでは、ICカード内に個人の健康状態の
 情報を格納することにより、患者や利用者の情報管理に役立っています。

 ICカードの大容量の情報記憶機能と、個人のプライバシーを守る
 高セキュリティ性の機能を活用した応用分野です。

 この分野でも銀行のキャッシュカードやクレジットカードを相乗りさせて、
 医療費の支払いやフィットネス利用料金の支払いを可能とすることもできます。

■来場管理、電子チケット、トレーディングカードへの応用

 ICカードは、エンターテインメント分野での利用にも最適です。

 既に多くのアミューズメント施設の会員カードや入場券として利用することに
 より、従来の磁気カードや紙のチケットでは実現できなかったサービスを提供
 することが可能となっています。

 また、トレーディングカードはICカード化することにより、ビデオゲームと
 情報を連動させるなど、従来では考えられなかったサービスの提供が可能に
 なっています。     

  残念ながら、小生はこの分野に関しては実際に利用したことがなく、
 具体的な内容には疎いのですが、応用分野の事例としてリストアップされて
 いましたので、一応掲出しておきます。

■テレホンカード、SIM/UIMカード(携帯電話)、デジタル放送受信カードへの
 応用

 テレホンカードはICカード化によって、偽造・改ざんのリスクから
 開放されたということですが、公衆電話は携帯電話に主役を奪われ、設置台数
 が減少傾向にあり、ICカードのテレカはあまり普及しないという結果に
 なってしまったようです。

 小生は使ったことはありません。折角ICカード化したのに時代の流れで
 公衆電話の役割が変化してきてしまい宝の持ち腐れとなっているのではと
 考えているのですが、誤解でしょうか。

 また、携帯電話やデジタル放送の利用者を認証し、システムのセキュリティ部分
 をブラックボックス化するメディアとして利用されています。

 これに関しても、小生自身は次世代型携帯電話に移行しておらず、未体験です。

 デジタル放送も我が家は、CATVを利用しており、目下のところ未体験
 ということになります。

  
■電子入札認証用カード、IT実験、住民基本台帳カード、健康保険証、運転免許証
 等への応用

 公共分野でのICカードの利用も活発化してきています。

 国土交通省では電子入札の認証用カードとしてICカードが利用されています。

 また、2001年から行われた経済産業省による「ICカードの普及等による
 IT装備都市実験事業(IT実験)」と、それに続く「ITCity」では、
 さまざまな地域サービスがICカードを介して行われています。

 2003年8月からは、住民基本台帳カードが発行され地域サービスは
 ICカードを仲立ちとしてよりいっそう充実されていくものと考えられます。

 この他にも、運転免許証、健康保険証、介護保険証、パスポート等も
 ICカード化が検討されています。

 e-JAPAN計画の一環として、行政分野のIT化が推進されていくことになり
 この中でICカードの応用分野は徐々に拡大されていくことになるでしょう。

■ポイントカード、メンバーズカードへの応用

 ポイントカードがICカード化されることにより、ポイント管理が容易かつ
 多様な機能を搭載できるようになります。

 既に「汎用ポイントシステム」の導入は進んでおり、いろいろなお店で
 利用可能であり、クレジットカードのポイントシステムとも連動する
 ポイントカードシステムが登場しています。

■以上のように、いろんな分野でICカード化検討され、
 実際に一般に普及してきています。

 残念ながら、小生個人としては、知識としては知っていても実際には、
 利用したことのないものも数多くあり、その利便性を体験していないものも
 あります。

 いずれにせよ、ICカードの機能を生かした、各種の応用分野が急速に拡大
 することだけは確かであり、これによりセキュリティーの確保とカードの
 多機能化が促進されることになります。

 

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■ICカードの応用分野(続)

 前回に引き続きICカードに関してのトピックスをご説明したいと思います。

■応用分野について

 ICカードの応用分野に関して順次説明していきます。

 定期券入れや財布の中にカードが何枚もあり不便であるからICカード
 一枚に統合したほうがよいとの意見があります。

 しかし、紛失したときのリスクやカード利用時の勘違いやミス等を考えると
 お客様のニーズに応じて適時組み合わせていくのがベターのようです。

 応用分野に関しては、個別分野ごとに説明していきますが、
 実際には、いくつかの機能が複合化されて利用されていくことになります。 
 

■クレジットカード、キャッシュカードへの応用

 ICカードの特徴としてセキュリティーが高いということが優れて
 いるということが強調されます。

 ICチップの中には、マイクロコンピュータが組み込まれており、
 このコンピュータでセキュリティー論理を組み込むことができるからです。

 このセキュリティ性を活かした応用分野は、クレジットカードや
 キャッシュカードなどの金融系のカードです。

 ICカード化された金融系のカードは、ほぼ完全に偽造や不正利用の
 リスクを回避することが可能になります。

 ほぼ完全というのは、セキュリティーには絶対ということは
 ありえないからです。

 必ず、技術の進歩、時代の推移によりセキュリティー対策は破られて
 いくという運命にあるからです。

 しかしながら、現状よりは格段のセキュリティー機能の向上が期待されます。

 また、ICカードには記録を保存しておくメモリーエリアがあるため、この
 部分を利用して、金融系システムにおける与信管理を行うことができます。

 与信管理というのは、クレジットカードやデビットカードで利用可能な
 限度額を管理する機能です。

 この機能を利用すればショッピング等の取引が発生した場合の承認事務を
 迅速かつ効率的に処理することが可能となります。

 クレジットカード業界では、2003年~2005年を目処にすべてのカードを
 ICカードに切り替える計画になっています。

 カードの有効期限に達したものから順次切り替わっていくことになります。

 クレジットカードの不正利用による損失は、相当の金額であり、
 IC化により、この損失が大幅縮小されることが期待されています。
 

 一方、銀行のキャッシュカードもIC化の方向に進んでいます。

 銀行は、実用化に早くから取組んでいたのですが、全面的な実用化には
 到りませんでしたが、今後は順次切り替えていく計画になっています。

 実用化が遅れている理由は、キャッシュカードには、有効期限という概念
 がなく、発行枚数も国民一人当たり2-3枚以上も発行されています。

 また、すでに預金口座残高ゼロの口座も多く、切り替えコスト負担が大きく
 一挙に切り替えることに躊躇するコスト負担の問題があるからです。

 時間の差こそあれ、各行のポリシーに従い順次切り替え移行が
 行われることになります。

■電子マネーへの適応
 
 電子マネーとは、お金の情報を書き込んだICカードを使い、キャッシュレスで
 ショッピングを可能とする仕組みです。

 現金を使わないので安全なうえ、レジでの小銭のやり取りも簡素化されます。

 電子マネーに関しても何種類かの方式が開発されています。

 このなかでも注目されるのがプリペイド方式の電子マネー「Edy」です。

 基本的には、ソニーのフェリカという非接触タイプのカード仕様を
 利用しており、JR東日本で利用されているSUICAと同一の仕様です。

 Edyは、コンビニエンスストアでの利用やインターネット上の
 サイバーモールでも利用可能です。

 企業や学校内でのキャッシュレスシステムとして、社員証に「Edy」の機能を
 搭載する事例も増えてきています。

 全日空のマイレッジポイントをEdyに変換して電子マネーとして利用することも
 可能となっています。

 今後も、順次、提携先が増加し利用範囲が拡大していくものと思われます。

 

■JRの定期券や乗車券等への適応

 交通機関分野ではICカードの非接触インターフェース機能が活かされ、
 JR東日本の「Suica」をはじめとして、カードを読み取り機にかざすだけで
 改札口を通れるシステムが実用化されています。

 この非接触型のICカードに切り替えることになった理由は、
 薄型のプラスチックカードでは、高速でカードを搬送しなければならないために
 読み取り装置のベルトの磨耗とメカ部分の故障メンテナンスコストが大きな問題
 となってきたからです。

 非接触型のICカードの場合は、このメカ部分が省略できるために、
 メンテナンスコストの節約につながるからです。

 鉄道の改札口での利用の場合には、改札口の混雑を避けるための処理スピードが
 必要となります。

 この高速処理を可能とするためにタッチアンドゴーという方式で、高速処理機能
 可能なソニー仕様の非接触型のICカードが採用されています。

 このJR方式は、相互乗り入れ可能なように、私鉄の改札方式にも採用されて
 いくことになると同時に、順次、地下鉄、バス等にも採用されること
 になっていくものと思われます。 

■高速道路等の有料道路の料金徴収システムへの適応

 高速道路で採用されている、ETC(料金自動収受システム)は、車載機に
 ICカードを挿入するだけで、料金所通過の際、ノンストップで自動的に
 有料料金の支払いが行われるシステムが採用されています。

 ETCの場合には、読み取り装置との距離が離れているために、
 特別なICカード装置(車載装置)に接触型のICカードを挿入して
 無線電波でデータ交換する形態となっています。

 この方式は、駐車料金の支払い等、車を中心としたシステムへの応用が
 展開されるいくものと思われます。


 その他の応用分野については次回につづきます。

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■ICカードの応用分野

■ICカードの応用分野

 今回から、ICカードに関してのトピックスを取り上げたいと思います。

 ICカードは、1970年、日本とフランスでほぼ同時期に発明されました。

 プラスチックのカードの上にICチップを埋め込んで、簡単な演算機能と

 メモリー機能を持たせたもので、これによりセキュリティーを確保しよう

 というものでした。

 当初は、4ビットのCPUを搭載していましたが、順次8ビット、そして

 16ビットと演算スピードとメモリー容量を拡大してきています。

■1980年代になり、フランスでは世界に先駆けて国策としての支援もあり、

 カードの実用化がはじまり、まずテレホンカードがICカード化されました。

 欧州では、電話機のコインを盗む目的で、公衆電話機が壊されることが多く、

 この破壊から電話機を守る意味からもいち早く磁気カード方式に切り替わって

 いましたが、偽造磁気カードが多発することになりました。

 そこで、磁気式テレホンカードの偽造利用に対する防犯措置としてICカード

 が導入されることになり大きな成果を挙げることができたということです。

 これ以降、フランス、ドイツなどヨーロッパの国々を中心に、電話だけでなく、

 カード犯罪防止を目的に、プリペイドカード、クレジットカードなどの

 ICカード化が活発になり交通機関やショッピングへの利用が

 拡大してきています。

 一方、日本では、三井銀行と東芝がフランスのブル社のCP-8というカード

 をベースにデビットカードによるショッピング実験を期間限定で実施したのが

 日本で最初の実証実験システムでした。

 その後、トッパンをはじめとして国産各社がICカードの開発を行い

 銀行キャッシュカードなどを利用した大規模な導入実験が行われました。

 ICカードの大容量記録性を生かした多機能利用と高セキュリティ性が

 注目が集めてきましが、本格的な普及展開には到りませんでした。

 90年代に入ると、社会のIT化と共にICカードは、電子マネーや電子認証

 などの新しい搭載媒体としても注目されるようになります。

 一時は、英国製のモンデックス方式の電子マネーが注目を浴び、その後

 ビザキャッシュやマスターカードのニューヨークでの実験等も行われました。

 日本でも、渋谷や新宿、神戸そして一部の地方都市で地域内での電子マネーの

 実用化実験が行われ、実務上の問題点はクリァーされていきました。

 この間に、機能や仕様の統一化・国際規格化の動きが本格化し、

 普及の基盤が形成されていったのです。

 そして21世紀になってから、クレジットカードやJRの鉄道乗車券の

 ICカード化が本格化していき、ICカード社員証や学生証を多く目に

 するようになりました。

 さらに、住民基本台帳カードなどの公共カードもICカードで提供される

 こととなっており、ICカードがわれわれの生活に溶け込んできています。

■具体的な応用分野について

 ICカードの応用範囲は広く、いろいろな分野で利用されるようになって来ました。

 カードの製造コストや端末コストも大量生産技術により急激に安価になってきてお

  り、今後広範囲な普及・実用化の段階になってきました。

 ICカードの仕様に関しては、接触型と非接触型の二つの方式が存在します。

 更に、非接触型にも方式が二つあり、これらをひとつにしたハイブリッド型の

 ICカードも開発されてきています。

 更には、携帯電話にも組み込まれることになり、いよいよ本格的な普及の段階に

 なってきたということです。

 いろいろな応用分野に関しては、次回で説明します。

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