◆アィデアのある銀行「イオン銀行」が営業開始
アィデアのある銀行「イオン銀行」が営業開始
日本最大手の流通・小売業グループ「イオン」主導による新設銀行の「イオン
銀行」が営業を開始した。
イオングループのショッピングセンターなどの大規模店に、「インストアブラ
ンチ」として有人店舗を開設し、その他の中小規模店舗にはATMを設置して
の営業である。
ブランドスローガンとして「アイデアのある銀行」を標榜し、2007年10月30日
時点で、有人店舗は4店・ATMは275店で461台が稼動している。
流通業界からの銀行業への参入は、海外の事例としては、ドイツのメトロ、フ
ランスのカルフール、イギリスのテスコなどがあるが、イオン銀行はこれらと
類似の形態での銀行業務展開を目指しているものと思われる。
日本では、2001年にイトーヨーカ堂やセブン・イレブン・ジャパンなどのアイ
ワイグループ(現セブン&アイグループ)が、アイワイバンク銀行(現セブン
銀行)を設立して以来の2事例目ということになる。
ジャバネット銀行やセブン銀行、ソニー銀行、イーバンク銀行が基本的には無
店舗銀行の形態でサービス機能を特化しているのに対して、フルバンクかつ有
人店舗も展開するというところに特徴がある。
法人向け融資は行わないが、有人店舗を設け個人向けに住宅ローンや保険まで
のフルバンクサービスを提供する銀行は、流通系銀行としては世界初となると
のこと。総合スーパー業界は、ショッピングセンター事業は拡大しているもの
の、本業であるスーパー本体の小売り部門が経営が厳しく、金融事業への参入
によって収益力を高める狙いがあるものと思われる。
【イオン銀行の特徴】
資本金は、金融機関や商社など16社が出資し、192億円となっている。
16社の出資比率は64%で、イオンは出資比率36%の筆頭株主として経営権を確保
している。出資の内訳は、三菱UFJ・みずほ・三井住友の三大メガバンクと、
横浜銀行、日本生命保険、第一生命保険、明治安田生命保険、三菱商事、リー
マン・ブラザーズが各5%、中央三井信託銀行、住友信託銀行、千葉銀行、損害
保険ジャパン、日本興亜損害保険、ニッセイ同和損害保険が各3%、住友生命保
険が1%となっている。
開業後5年を目標として掲げているのは、 口座数:430万口座以上、ATM台数:
2300台以上、インストアブランチ:140店以上、預金残高:1兆円以上(中位の
地方銀行に相当)、収益性:ROE 20%以上。
業務運営の予定としては、他の銀行に見られない特徴ある業務展開もある。列
挙してみると、各種預金、 住宅ローン、 保険および証券販売、 投資信託等
の金融商品の販売。 そして、来店客の多い土・日曜日の開店、平日の営業時
間延長(9:00~21:00)、365日いつでも無料のイオン銀行ATMサービス、イン
ターネットバンキング・モバイルバンキング、買い物で貯めたポイントを電子
マネー(WAON)に振り替えるサービス、公共料金の収納代行、小口決済、 イ
オンバンクカード(ICキャッシュカード)の発行等となっている。
新サービスを提供することにより他の銀行との差別化を図ろうといういうこと
である。
また10月19日には、イオンクレジットサービスがイオン銀行の銀行代理店業許
可を取得している。これにより、イオンクレジットサービスでも口座開設手続
き等の扱いが可能となり、初期の基盤構築のための営業力が強化されたことに
なる。当初予定されていた口座開設受付店舗数も80店舗から、この代理店業許
可の取得により220店舗へと拡大した。
◆口座開設支店名の扱いもユニーク
個人向け口座の支店名には誕生石名が用いられており、口座開設者の誕生月に
よって支店割り当てが決まるのもユニークである。具体的には、ガーネット支
店、アメシスト支店、アクアマリン支店、ダイヤモンド支店、エメラルド支店、
パール支店、ルビー支店、ペリドット支店、サファイア支店、オパール支店、
トパーズ支店、ターコイズ支店、そして本店。
支店への振込の場合に若干の戸惑いが生じる可能性はあるが、・・。
誕生月支店ごとのイベントもセースル手法として活用されることと思われる。
◆キャッシュカードにも特徴が
すべての口座開設者にキャッシュカード「イオンバンクカード」が発行され、
預金通帳は発行されない。
カードは、エンボスレスのICカードとなっており、接触タイプICと非接触タイ
プIC(FeliCa)の両方を搭載している。また、他行ATMでの利用を可能にする
ために磁気ストライプも搭載している。
更に、イオンバンクカードにはイオンの電子マネー「WAON」の機能が標準搭載
されており、ICキャッシュカードとしての利用と「WAON」としての利用が1枚
でできる。イオン小売店舗の買い物客の口座利用を促す施策として、イオンバ
ンクカードに搭載のWAONのみ、口座から電子マネーへのオートチャージや通常
チャージが可能となっている。
また、イオンバンクカードを利用してイオン店舗で買い物することにより、従
来はイオンクレジットサービスのクレジットカード「イオンカード」等が必要
だった毎月20・30日の「お客さま感謝デー」での5%現金還元、通常のWAONカ
ードと同様に毎月10日の「WAONデー」の特典、ポイントサービスも受けられる
という特典付となっている。
◆ATMについて
インストアブランチに設置されるATMとブランチ外に設置されるATMはICキャッ
シュカード・FeliCaに対応している。紙幣の他に、硬貨やICカードも扱える多
機能ATMで、サイズも都市銀行などで見られるATMとほぼ同等である。
このATMは電子マネーWAONへのチャージ機能も備えており、千円単位での現金
チャージ・口座からのチャージが可能である。
◆イオン銀行ATMで利用できるキャッシュカード
イオン銀行ATMはイオンバンクカードと、イオン銀行と提携した金融機関のキ
ャッシュカードが利用可能となっている。
イオンバンクカードは磁気ストライプも搭載しており、提携各行のIC非対応AT
Mでも利用できる。
【まとめ】
リーテールバンクへ本格的に流通業界からの参入であり、イオングループでの
買い物客、特に主婦層をターゲットに金融と小売ビジネスを一体化した新たな
形態のビジネスモデルである。
イオン銀行には、流通業界のノウハウがバンキング業務へ適応されることによ
り、新たなバンキングサービスが開発されることか期待される。
ブランドスローガンとして「アイデアのある銀行」の今後のユニークなアイデ
アサービスの出現に注目していきたい。
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