◆電子メール等の保存期限について
280通の電子メール削除で逮捕
【はじめに】
日本振興銀行の木村前会長らの経営幹部が銀行法違反(検査忌避)容疑で
逮捕されるというショッキングな事件が発生しました。
金融庁の立ち入り検査を受けた際に、取引経緯に関する電子メールの記録を
280通削除して検査を妨害したとされる事件です。
竹中平蔵金融担当相(当時)のブレーンとして金融庁顧問も務めた木村前会長
の刑事責任が追及される見通しとなったというものです。
【電子メールの保存期限違反】
この事件で思い出すのは、今から十年ほど前に、米国の証券会社が、
米証券取引委員会(SEC) が、ウォール街の証券会社5社に総額825万ドルを罰金として
支払うよう命じたという報道を記憶の方もいらっしゃると思います。
業務関連の電子メールを、義務付けられている期間、保存していなかったために
罰金を科せられたというということでした。
SECによると、罰金を科せられた5社は、自社の証券取引、仲介、売買業務に関する
電子メールなどの社内メモを「3年間保存する、あるいは利用可能な場所に2年間保存する」
という規則に違反したということでした。
この米国の事件を受けて、メールの長期保存のファイルシステムのセールスが
活発化したのを覚えています。
【ITファイルの保存期限】
電子メールに限らず、ITシステムのファイルの保存期限の問題は、
大きなテーマとなります。
基本的には、通常の文書の保存期限に準じる運用となりますが、
文書の重要度と商法等の法律等で定められたルールに従って
保存されることになっています。
このルールに違反した場合やファイルの意図的な削除や改ざんを行った場合には、
罪に問われることになるのです。
【まとめ】
今回の事件は、電子メールの削除による取引経緯に関しての証拠隠滅による、
金融庁の検査忌避の容疑で逮捕者がでるというショッキングな事件でした。
IT化が進む中で、金融取引の折衝経緯を電子メールでやりとりすることが、
定型化していることを物語るものです。
金融取引のIT化の進展に伴い、取引経緯や記録ファイルの保存期限の設定や
保存保管の方法と改ざん防止に関してのルールを明確化すると同時に、
システムを支援するハードやソフトが各種販売されています。
これを機会に、自社のシステムの再点検が必要ということです。
今回のように、経営のトップが指示して、電子メールの削除やITファイルの改ざんを
運用責任者に指示した場合でもファイル自体は、永久的には削除されないシステムを
導入することも肝要ということです。
今回の事件は、ITシステムの広義のセキュリティー対策の重要性を
再認識することになりました。
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